障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 最重度知的障害のテキストを探した日

<<   作成日時 : 2014/10/11 21:36   >>

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 前回に続き、まず書店にて。
 福祉関係書籍の棚を見ると、教師や施設職員対象の指導書ばかりでなく親や一般の人に向けた障害や福祉の本が昔よりずいぶん増えた。 障害児を育てているお母さんのエッセイやコミックス、昔よりわかり易く書かれた専門書。身体・知的・自閉症・ダウン症・重複障害等、取り上げられる障害も多様化し、「発達障害」という言葉も定着した。 

 遊ばせ方、教え方、さまざまな方向からアプローチして生活能力を育てる方法がとても丁寧に書かれている。Kが幼児の頃は難しい専門書の方が多かった。いい時代だ。

 でも。昔と同じ疑問はある。
 障害の特性として、Kのようにインプットが難しいタイプを想定した本は、なかなか見つからないのだ。

  お絵かき、手遊び、おもちゃなどの刺激や誘いにほとんど興味を見せない。
 「何か書いて」とクレヨンを渡し、手を添えて丸をひとつ描いてやる。手を離せば、それきりクレヨンも放りだす。
 「さわってごらん」とおもちゃを動かして見せる。やはり手を添えてやるが、離せばそれきり。もしくは、ひたすら振り回すかコツコツ叩いている。
 一生懸命語りかけてもこちらを向いてはくれず、目の焦点はどこに合っているのかわからない。

 何より、模倣をしない。
 お手本を示しても、全く応じてくれないのだ。
 感知して、自分で判断して、自分が動く。そこからもう方法がわからない、というか興味もないというか。
 勝手にどこかに行くこともないが、何もしようとしない。おもちゃをひたすら振り回すか、泣いているか。

 たいていの指導書・専門書にある「家庭療育の一歩」は、「ゆっくり話を聞いて、語りかけて」「子どもの興味を引くことで」とか「まずやってみせて」だった。言葉を持たない、興味を示すものがわからない、やってみせても反応しない、という場合はどうすればいいのか。
 
 何かを教えようとしても、その糸口が掴めない。その先に進む方法がわからないのだ。 
 でも、本やネットでは上記のようなコミュニケーションのとっかかりが作れる子への対応しか見つからない。
 糠に釘、のれんに腕押し、でも泣いてばかり、という状態の幼児を育てるっていうのは軽い拷問だったですよ。

 ヘレン・ケラー女史は感覚が不自由でも知的には健常だったから同列にはできないが、有名な「ウォーター」のような最初の一歩を踏み出す劇的なきっかけをいつも探していた。でも、本やネットでそれを発見することはできませんでした。 

 その後、療育で「動作法」(リンク先の説明は難しいですが、要するに自分の体を自分の意思で動かすことから教えましょう、ということ・・・かな)という指導を受けその後療育園通園で刺激を受け始めてからやっと目の焦点が定まり始めた気がする。不安定でも少しずつ何らかの反応が返ってくるようになった。いい反応ばかりじゃないけどね。

 結局テキストやネットではなく、いい指導者と親仲間に救われた。親が諦めていたことを、励ましながら実現させてくれたのはいつも熱心な先生方でした。

 反応が鈍いのは変わらない、そして思春期の怒涛の自傷・パニック。
 今、成人して大きく荒れることは少なくなった。そのかわり、今頃になって日常の中で自分の好みやこだわりを主張するようになった。すっごく面倒くさい。でも、ちょっと面白い。

 泣いて自己主張していた乳児がやっと幼児になった、と思うことにしています。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
そう、それです(笑)
泣いて自己主張してた子が今やっと幼児期になった。
あれだけ泣いてたのに、滅多に泣かなくなったのも不思議ですが(^_^;)
高校生になって泣かれるとキツイですよね(笑)
幼児期に絵カード、写真カード、もやりましたが
見せても多少泣きはおさまりましたが
場面変わるとパニックでした。
今はどこへ行こうが走らないし大人しいものです。
今思えば、うちの子の成長にあわなかっただけ
その10年後にやっと絵カードが使えるようになった
その10年の間に、学校に通い、経験をさせ積んでいってから。
ヤレヤレです(^_^;)

誤学習と自己主張はうちも同じですー
笑っちゃう自己主張もありますよね(笑)

2014/10/12 10:44
桃様
 写真カードも絵カードも作りましたが全く役に立ちませんでした。今もそうですが、お菓子など現物には反応しますが同じものでも写真だとそれと認識できないようなのです。でも、言葉で伝えてわかることは増えたし泣きも減りました。たまにはありますが。
 こちらが必死にわかろうとしても難しいことはたくさんありますね。向こうからも少しずつ歩み寄ってくれているのかもしれませんが。む
tomoko
2014/10/12 15:01
Kくんと、そしてtomokoさんと、まったく同じ道を辿って来ました…
0歳のころから、目に入る療育機関や集まりというものに片っ端から参加し、大きく見れば本当にありがたいことばかりではあるのに、Kくんと同じ感じのうちの子には、何をやってもはまらない…
重度のお友達といっても、そう、コミュニケーションが取れるんです、みんな…
いまだかつて、なんとなく似てる感じのお子さんに出会ったことすらありません。
今回のtomokoさんのような、他者に伝える言葉も見つからず、もんもんとした物が胸につかえたまま、現在に至っています。
でも、これもKくんと同じような感じの成長は見られているので、面白いことがたくさんでもあります(笑)
動作法、初耳です、見てみよう!
みま
2014/10/13 13:38
みま様
 重度といっても、簡単なゲームをしたり絵を描いたりしているんですよ、他の子は。なんでうちの子は、とずっともんもんとしてます。今も。成長は確かにしているらしい、という実感も最近になってからですが、頭を抱えることも多いですね。それでも昔よりは面白いです。
 動作法は「自分の意思で体を動かすこと」を教えてあげましょう、と言われて指導を受けました。身体の障害はないのにそこから理解できてないのか、と驚きました。親も一緒に子どもの「意思」と「動き」を体感できて、やりがいがあります。
tomoko
2014/10/13 20:10
こんにちは。
うちの子(4歳)も同じようなタイプです!
療育を受けても、なんだかピンとこないことが多いのです。
興味があるものを探して〜、とか言われますが、
興味のあることはないのです(^_^;)
お絵描きもおもちゃも渡しても興味がわかず、パラパラと落とすだけ…
ああ、こんな子に何を教えればいいんだろう?と思ってしまいます。
もうほっといてるんですけど、やはりそれではダメですかね(-""-;)
今のところ同じようなお子様に出会ったこともないですね。療育園や支援学校に行ってもあまり出会う確率は少ないのかな?
お友だちが欲しいなぁ(親的に)って、
思うんですけどね。。
こだわりが少し出てくるのを、楽しみに(?)待ちたいと思います!
動作法も調べてみます(^-^)
はなと
2014/10/21 09:37
はなと様
 うちの子と似たようなタイプのお子さんは身近では見られなかったので、途方にくれていました。どんなおもちゃを渡しても、動かして見せても手に取ればコツコツ叩くか振り回すだけ・・・もうお手上げ、でした。周りの子は、重度と言われてもお絵描きとかぬり絵とかには集中するとか、模倣をするのでそこから、とか・・・きっかけを作りれる子ばかり。
 動作法の指導を受けながら、実際に手を取って動かしてやる(逆クレーンというか)ようにしました。それでも気長に気長に待ってようやく動きが見えてきたという感じです。焦らずに、お子さんの成長を信じてあげてくださいね。 
tomoko
2014/10/21 10:56

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