障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 先にわかっていたとして

<<   作成日時 : 2012/09/18 11:59   >>

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 あまり気が進まなかったけど結局見た。NHK特集「出生前診断 そのとき夫婦は」

 自分の子の障害は(多分)事前にわかるものではないし今更考えても、と思っていた。でも、見始めたらつい見入ってしまいました。

 最初に疑問だったのは、障害があると診断された場合8割の親が中絶していると伝えているのにもかかわらず「産む」という決断のケースが中心になっていたこと。
 美談と現実は違うのに、とモヤモヤしたがよく考えれば仕方ないのかもしれない。

 自分がそういう立場になり、悩み苦しんだ末に「産まない」選択をしてからその件について取材を申し込まれたとしよう。・・・・・私なら断りたい。顔も声も隠してくれるとしても。 話なんかきっとできない。まして、それがテレビ放映されるとか、それは罰ゲームですか、と尋ねたい。後から悩む人々の為に、とか言われてもなぜそれが自分なのか、きっと納得できないと思う。
 つまり、話してくれる人があまりいなかったのでは・・・と。あくまで私の推測ですが。
 あとは、8割が産まない決断をするということはつまり、流れはそっち、ということなのかな。

 少し前、Kよりやや年上の知的障害者を育ててきたお母さんが言っていた。

 「もし相談されても、積極的に『産みなさい』なんて私は絶対言えない。」

 今は、我が子はもちろん可愛いし失いたくない。でも、自分が乗り越えたからあなたも、なんて絶対に言えないという。ほぼ同感だ。

 障害を持つ子を育てるのは苦しみ、悲しみ、辛さばかりではない。嬉しいこと、いいこともたくさんある。それは実感している。
 しかしそれは今だからある「実感」にすぎない。経験したらそうだった、というだけ。すべての人が同様に感じるという保証はないのだ。 

 ある人には、悲しみと絶望しか感じられないかもしれない。
 ある人には、辛いことばかりの中に時々光がさして見えるくらいかもしれない。
 ある人には、苦しみと喜びが同じくらい、かもしれない。
 子供が可愛くて、辛いことはすぐ忘れられるという人もいるかもしれない。


 
 つまり、健常児とは全く次元が違うタイプの辛いことや苦しいことは絶対にある。それだけは皆断言している(笑)
 そして、嬉しいことやいいことは環境とか気の持ちようとか、つまり人それぞれ。全くない、という可能性さえある。

 健常児の育児だって、辛いことや苦しいことは山ほどある。しかし、障害児の育児はたいてい「絶望」とか「ショック」で始まり、まずそれを受け入れて跳ね返すところからのスタートになる。ゼロからじゃない、マイナスから
 それに、健常児の場合成長して自立した姿を見れば大抵の苦労はチャラになると思う。

 苦労だけは保証するよ、なんて、悩んでいる妊婦さんに言えないですよ。

 それにあらゆる障害の診断がつくわけではないし、具体的に知的・身体ともにどの程度どんなふうに現れるのか、完璧にわかるわけではないのでしょう?結局、皆自分で考えるしかないということか。

 自分が事前にそう診断されたらどうしただろう。全く想像できない。もしかしたら、「産んでみなければわからなかった」という方が覚悟も決まり易いのかもしれない。悩む余地なし、ということで。

 あ、子供本人はどうなのか、という点はうちの場合なんともいえない。障害は重いし伝えてはくれないが、少なくとも「産んでくれなければよかったのに」という様子は見られない。毎日なんとなく楽しそうに過ごしている。それはそれでいいような気がする。

 ただ、悩んだ末に「産む」「産まない」どちらを選択したとしても、その人達を非難したり責めたりするのは違うと思います。 

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コメント(22件)

内 容 ニックネーム/日時
すごく重い問題ですよね。リアルでは議論できない、本音を出しにくい問題だと思います。
うちの子が通う療育園ではいま、妊娠出産ラッシュです。なんらかの発達障害を抱えている子がいる上での妊娠出産なわけで、いろいろ考えた上での決断を思うと、希望も不安も他人事とは思えず胸に迫ります。
ふお
2012/09/18 13:51
私は出生前診断をやろうと思います。気になったのは障害児を小さな我が子のままだと思っていそうな親御さんがいらっしゃることでした。以前、駅で成人した体格のいい知的障害のかたに絡まれた事がありました。駅員に助けを求めて事なきを得ましたが、かなりの恐怖を感じました。その方の母親が私に対して障害を理解してくれとばかり話すのです。私の恐怖は理解していただけないようでした。我が子の異性に興味を示す男性の部分は見えてない。私は、そういう方とは距離を取ることを選びました。
みのる
2012/09/19 10:40
ふお様
 私は次男の妊娠がわかった時点ではまだ長男に障害が、とわかっていなかったのであまり考えなかったのですが、悩んでいるお母さんもいたようです。命の行方を、しかも親の立場で決めるのは辛いと思います。
tomoko
2012/09/19 12:10
みのる様
 嫌な経験をされたのですね。私も幼い頃そういう方が地域にいて、何度も怖い思いをしたのでわかります。だからこそ、自分の子がひと様にそういう思いをさせないよう、また自分もわが子を王様扱いしないように、努力しています。それでもお気を遣わせてしまうこと、申し訳なく思っています。
tomoko
2012/09/19 12:19
出生前診断は「夫婦の」問題だと思います。
長女の同級生がダウン症で1歳から同じ保育園でしたが、一度お家にお邪魔したら(子供はもう小学生だったと思う)、生まれた時おかあさんは全然知識がなくて絶望したけど、公務員で福祉を知っているおとうさんは、正確な知識を持っていて、確率の問題だし、善良に育つんだと励ましてくれたこと。難しい手続きは全部おとうさんがしてくれたと話してくれました。
そのご夫婦はすぐに次男さんをつくられ、その後私が三女を産んで「三番目は可愛い時しか見ないから、いつでも可愛いよ」と話したら、そのせいばかりじゃないけど、三男さんをつくられ、今では野球バカの高校生です。
おかあさんを取り巻く環境は本当に大切だと思います。
はーこ
2012/09/19 14:57
世間的にも、産まない選択が正しいという意見が多いと感じました。
ただそう主張している方々の殆どが、診断できる障害を正確に把握していない(私もですが^^;)また診断対象外の若い妊婦さんでも可能性は充分あることも認識が薄いんじゃないかな・・。産む選択をした夫婦、検査をしなかった夫婦を非難の目で見る人も増えそうですね。
そしてもし、産まない選択前提で検査をし障害を診断されたとして、いざ中絶という時お母さんは土壇場で苦しむんじゃないか、一生体と心に傷と罪悪感が残るんじゃないか、とついつい培った想像力を発揮してしまいました(笑)子供を授かることはそう簡単に割り切れるものではないですしね。

私自身、もし息子に障害が無かったら「産まなきゃいいじゃんそんな手間のかかる子」と、自分とは別世界の話として聞き流していたでしょうから、あまり偉そうなことは言えませんが。
もよこ
2012/09/19 18:52
はじめまして。
いつも読ませていただいています。

Kくんとは全く障害は違いますが、私にも障害をもった子供がいます。

そして私は8割側の人間です。

私の子供の病気は出生前診断ができるもので、成人を迎えることなく亡くなる子が多い病気なので、二人目が出来たとき診断を行い、生まない選択をしました。
診断を受ける前からどうするかは決めていましたが、いざ、となると、やはり辛い選択でした。

たぶん、何回同じ場面に直面しても同じ選択をします。
だけど正しいなんて思ってない。自信もない。
確かに取材を受けるのは抵抗があります。


tomokoさんの受け取り方は自分にとって新鮮でした。
生む選択をした人の方が番組的にやりやすいし、ウケもいいんでしょー、と何の疑問もなく受け取ってしまいます。
そういった視点のあるtomokoさんのブログ、楽しみにしています。
また、おじゃまさせていただきますね。
愛読者
2012/09/20 08:12
はーこ様
 まさに夫婦の問題ですね。そのご家族も、お母さんの悲しみをしっかりサポートしてくれたお父さんがいた。誰かが手をとってくれる、ありがたいし大切なことだと思います。そんな環境に誰もが置いてもらえるなら、と願います。
tomoko
2012/09/20 10:31
もよこ様
 そこなんですよね。診断されても実際に生まれて見ると、生きていくのにさほど困らない程度だったとか、診断はされなかったけれど意外な障害が・・・とか、最後の最後までわからない要素はたくさんある。「可能性」だけで決断しなければならない、重すぎます。子どもを産む、っていうのはそれくらいすごくて大変なこと。うちだって、妊娠の経過だけみれば順調そのもの、だったんですけどね・・・
tomoko
2012/09/20 10:37
愛読者様
 光栄です、ありがとうござます。
 多分、どっちの選択をした人も迷いを残してのことだと思います。実際に選択を経験されたとのこと、たくさん悩み、考え抜かれた末のことでしょうし簡単に忘れられるものではないですよね。
 産む選択をしたケースの方が少ない、つまり物語性があるし産まなかった人よりその理由が多様、ということもあってとりあげられたのかな、とも思いましたが、考える機会をくれた番組でした。
tomoko
2012/09/20 10:45
私は不妊治療経験者なので
もし私が妊娠してる時に診断されたとしたら?
と、考えるとものすごーーく悩みます
今この妊娠を中断させたら、次はあるのか?
でも障害があるとわかって、生まれてきて
果たしてこの子は幸せなのだろうか?
妊娠を継続させることは、私のエゴなんじゃなかろうか?

だから、知らずに産んで幸せだと思います
こんなにかわいい子と出会えて。
本人も悩みとか悲しみとか関係なく
K君同様、なんとなく楽しそうに暮らしてます

だけど、確かに人にはお勧めできないですよね(笑)
リンコ
2012/09/20 17:29
こんにちは。自閉症児の母。はると申します。コメント欄に気になる発言があり、コメントさせていただきました。見当違いなら削除お願いします。気になるコメントとは、成人された知的障害者に恐怖を与えられたというコメントです。さぞや恐怖だっただろうし、障害者相手に許してやれオーラを出され、理不尽に思われたと思います。が、出生前に分かることは、遺伝子の異常のみで、その方が恐怖に感じられた知的障害の有無は分からないということです。特に、恐怖を感じたとしたら、その方は知的障害を含む自閉症の方ではないかと想像します。今、自閉症は出生前どころか、出生後もすぐにはわかりません。今、出生前健診について語られる場面をよく目にしますが、障害全てが分かると理解している人、ダウン症児と自閉症児をごっちゃにしている人が多いことが残念でありません。出生前健診は親の決断ですが、間違った出生前健診の考えが先行しないでほしいと強く願います。
はる
2012/09/20 21:35
私も愛読者です♪
うちの子は、3歳の重度心身障害児なんですけど、もし次の妊娠があったら、できるかぎりの検査をすると思います。
もう一人障害児追加は・・・無理!って思うから。
でも、出生前検査で分かる障害なんてほんの一部。それでも、ほんの一部の可能性は排除したい。
・・・頭では、そう思ってます。

反面、どんな障害や病気があっても、生きる子は生きる。それも知ってしまった。
生きる事ができるかも知れない子を堕胎するなんて・・・って思うと、当事者でもないのに泣けてくる。
だから、私は次の妊娠に踏み切れません。。。

「生まれてこなきゃ分からない」で良かったのに、って、心底思います。
色々分かっちゃうようになって、誰が得をするんだろう??

「苦労だけは保証するよ、なんて、悩んでいる妊婦さんに言えないですよ。」
思わず笑っちゃいましたw
確かに(笑)
ずう
2012/09/21 01:04
リンコ様
 お勧めは、できませんよね。経験しているならなおのこと。ただ、結果としてそういう子を授かった、そこから自分とその子のこれからを考えて生きて行くしかなかったですし。すべてのことは予定や予想のとおりになってはくれない、骨の髄まで沁み込みましたよ。
tomoko
2012/09/21 12:27
はる様
 実際のところ、自閉や知的な発達遅滞などまで診断できるという誤解もあるようです。最近は血液検査でどうこう、というニュースもありましたが出生前診断は障害と名のつく症状にオールマイティではない。でも、望む人にはその可能性の一部を消すことができる。そう、あくまで一部。
 怖い経験をしたことで、わずかであっても関わりたくない、という人もいます。それは理解したいです。でも自分が親になる時は、はるさんのおっしゃるとおり、正しい知識のもとで落ち着いてよく考えないといけないな、と思いました。この番組をきっかけに正しい知識が広まるといいですね。
tomoko
2012/09/21 12:40
ずう様
 ご愛読ありがとうございます(笑)。そう、生きる子は生きるんですよね。重いと診断されて生まれてきたら自立も可能な子だったり、不自由なことが多くても楽しそうに生活していたり、手はかかっても時々すごくいいリアクションをしてくれたり。でも、そういう結果までは親も判断できません。やはりそれぞれの環境や気持ち次第なんでしょう。今は、3歳のお子さんをたくさん可愛がってあげてくださいね。
tomoko
2012/09/21 12:51
難しいですね。娘の時、11年まえですが、最新の国立病院(一番近所の病院がここ)だったためか検査できました。けど、しなかったです。わたしら夫婦にとっての決断は宗教観でした。運命に逆らわないんです。障害も大変ですが、介護もまた大変ですよ。
amypapa
2012/09/21 13:58
こんにちは。私にも14歳になる障害を持つ息子がいます。(自閉症+遺伝性の障害)今年の頭に第2子を妊娠し、ニュースで話題になっている血液検査をアメリカで受けました。(アメリカ在住なので)

障害を持った親であれば心をよぎる心配、「私が死んだらこの子はどうなるんだろう」というもの。この大きな質問に答えるだけをもってしても、出生前診断は意味のあるものだと思います。検査を受けた時点では、もし障害がみつかったとしても、その後どうするかは決めてはいませんでした。ですが、まずは知らなくてはならない・・ということはわかっていました。堕胎する、しない・・ということより前に、私は状況を理解した上で、最上の決断をすることが、大切だと思います。

私もNHK特集を見て、二家族ともが「生む」という決断をしていることに違和感を感じました。けれども、本当に辛い状況においても、皆が「ふつう」と思うチョイスを選択する家族がいる、というのを皆に知らせる意味では、良かったのではなかったか・・と思います。右にナラエではなく、それぞれが自分の決断を出せる社会になっていけば、いいのに。。。と思います。
imommy
URL
2012/09/22 05:43
amypapa様
 宗教というのも心の拠り所ですね。大変でも、運命として受け入れる覚悟ができるのは大きいのでは、と思います。
tomoko
2012/09/22 08:28
imommy様
 >右にナラエではなく、それぞれが自分の決断を出せる社会になっていけば
 そうなってくれて、誰もがその決断を尊重してくれればいいですね。環境や考え方は皆違うのに、つい自分の考え方を基準に非難の目で見てしまうことは多いです。
 「私が死んだら・・・」は死ぬまで残る最後の課題です。どんな問題をクリアしていっても、ここにたどり着いて解決するまでは安心なんかできないしそれはたいてい自分の最期に近い。それが私達の老後、です。
 もうアメリカでは検査ができるのですね。どんな結果であったとしても、ご夫婦で納得いく決断ができますようお祈りします。
tomoko
2012/09/22 08:37
なんか、すっごいコメント数になってますね・・皆それぞれに関心があり、またいろいろ悩んでいるんだろうなあと思ったりします。

知り合いのブログのかた(お子さんが自閉)では、本人が毎日生活していくうえでものすごく苦しそうなのを見ていると、もし解っていたなら諦めた・・という人もいます。
私だったらどうしていただろう・・・毎日なんとなく考えていますが、答えの出るものではありませんね、
うちの息子もとりあえず漫画を見て爆笑し、ポケモンゲームに熱中し、毎日いろいろありつつも、まあまあ幸せそうにはしています。

今後、染色体異常なお子さんたちの保護者たちが責められるような社会には絶対なってほしくはないですね。支援クラスにいた可愛いダウンちゃんたち皆大好きです(^^)
ちえのすけ
2012/09/23 16:29
ちえのすけ様
 思うところある、という人はたくさんいるのでしょう。本人が障害もその辛さも自覚できるという場合は本当に苦しいですね。人によっても辛さは違うだろうし、判断を求められても迷うばかりだと思います。日々の生活の中に何か楽しいことがあってくれればいいですよね。
tomoko
2012/09/24 10:51

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