障害児Kとおたく母の疾走日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 白い街

<<   作成日時 : 2012/02/16 11:04   >>

トラックバック 0 / コメント 14

 寒波による豪雪のニュースが毎日のように流れる。雪国の方々のご苦労を思うと、たかだか数センチの積雪で「学校に行けない」とか「外出の足が」とか言ってあたふたしていること自体申し訳なく感じます。

 雪がちらつくたびに思い出すことがある。
 まだKが2〜3才、弟君が乳児の頃。前の晩から降り始めた雪が積もり、しばらくは降り止むこともなさそうで、車も人も外を通る気配がほとんどない。

 泣き喚くばかりで年齢相応の発達を見せない子供と無事に一日を過ごすには、外出は欠かせなかった。一日中閉じこもってフォローし、なおかつ乳児の世話までして過ごす・・・それに耐えられる強靭な精神力は、私にはない

 だから、その日も外へ出た。
 弟君はおんぶコートをグルグル巻きにして帽子をかぶせ、Kには厚い上着と長靴、そして訓練の結果やっとまともにさせるようになった傘を持たせて。

 虐待だと言われるかもしれない。でも、外に出ないことでさらに本格的な虐待をしてしまわないように
 選択肢なんてないに等しかった。

 振り続ける雪。広い道に出ても、しんと静まり返っている。時々チェーンの音をさせた車がゆっくり通るだけ。
 Kはそれなりに雪を踏みしめて歩き、傘もしっかりさしていた。 

 20分くらい歩いてファーストフード店に入り、飲み物とポテトを注文。お客は私達親子だけ。店員さんが小声で話している。
 「静かだね。」「ここだけ、別世界みたいね。」

 ガラスの向こうは一面真っ白で、動きもほとんどない。本当に人が住んでいる街なのかと疑いたくなるほどに静まり返っていた。まさに、別世界。
 キョロキョロしつつ上機嫌な弟君、ポテトをゆっくり食べておとなしくいるK、温かいコーヒーと暖房。なんかいいなー、みたいな感じ。

 きれいだから、とか落ち着くから、ではない。このまま時間が動かない、それがいちばん簡単な現状打開に思えたから。

 この時の、ひたすら静かで白い街の風景は忘れられない。多分これからも忘れることはない。
 私がこれまでに見てきた中で、いちばん美しい雪景色でした。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
なんだか心がギューってなった。
うちもKaiと2才違いの乳児弟、小学校1年の姉。
母親として最高に張りつめていた私。
15年も前のことだけど…
良い事、悪い事、とても口には出せないような事、
全て引っくるめてあの頃の私が愛おしいと思える。
冷静でいられた自分、冷静でいられなかった自分、
この先どんな母親になっていくのか不安でいっぱいだったけれど、どうにかなるもんですよねーf^_^;)
だってKaiが大きくなっていく事が怖かったけれど、ちゃんと笑える(実は笑えないような事でも)母になったもの…。
hiroco
URL
2012/02/16 11:53
いい話ですね!

雪、子どもにとっては楽しい贈り物♪

父の仕事の関係で札幌に数年住みました。まだ札幌オリンピックの余韻があり、雪を堪能しました。
忘れられない思い出です。

一昨日、NHKの歌番組で、虹と雪のバラードをトワエモアが歌うってました。昭和の名シーン、名曲ですね。

そうそう「夏に降る雪」ってわかります?
amypapa
2012/02/16 12:49
こちらもチラチラと雪が舞っています。積もる事はなさそう・・・かな。

十数年前のお話、心が洗われる様なひととき☆目に浮かびます。
我が家はK本人とお姉ちゃんの姉弟。2つしか違わないけど、とても頑張り屋のお姉ちゃんに母親としてはずいぶんと助けてもらい、過ごしていた幼少期。
ご本人が上という環境は、きっと私の想像をはるかに越えるモノがありますね…。

白い街・・・夢のような時間・・・外は雪だけど、店内には光が差し込んで見えます(*´▽`*)
はっちゃく
2012/02/16 22:59
hiroco様
 幼児の頃ってまだどうしていいかわからないことが多すぎて、ずっと張り詰めてましたよね。いろいろあっても、よくここまできたなと思います。子供が大きくなるのがこわい、というより大きくなることの想像がまったくできませんでした。今、図々しいほどに大きくなっているのを見ると本当に「なんとかなるものだ」と思います。
tomoko
2012/02/17 13:38
amypapa様
 虹と雪のバラードは名曲ですね。雪はごちゃごちゃしたものを全部隠してまっさらにしてくれるので、自然の中より乱雑な街の方が妙に感動します。
 ・・・えっと、「魔像の十字路」のユキちゃんでしたっけ?
tomoko
2012/02/17 13:44
はっちゃく様
 二番目が健常児の場合、最初と比べてあまりに楽チンな育児にショックを受けたりします。他のお母さんも似たようなことを言っていましたが、子供の本来の成長ってこんなにすごいのか、と驚いてしまうのです。もっと早くお兄ちゃんの障害がわかっていたら2人目を考えたかどうかわかりませんが、今は次男の存在に感謝しています。あまり役にはたっていませんが(笑)。女の子は気配りがあって羨ましい・・・
tomoko
2012/02/17 13:48
さすが!♪♥

素晴らしいです。

ユキちゃん、どうなったんですかね(泣) しかし、マニアックな話♪

コンクリートゲリラ、谷間のユリは…、憧れのヒロインです♥

どでかいバイクに乗って♪

娘にユキ、アンヌ、って名前つけたかったなぁ。
蘭て名前つけた友人がいるんですが、ちょっと羨ましいです。

ちなみに蘭は、うる星やつら、でなくてキャンディーズです(^。^)
amypapa
2012/02/18 13:23
なんでだろう、自分のことではないのに、その光景がなつかしく、デジャブのごとく思い浮かびます。
同じような経験をしてるんだなぁ…
時が止まっているかのようなあの思い…♪
みま
2012/02/18 13:42
amypapa様
 ユキちゃんが「真夏の雪」になってくれたから飛葉ちゃんで続編ができた、ということでしょうか。コンクリートゲリラあたりから初期メンバーの殉職が・・・だったような。悲しかったです。ユキちゃんなら、子供の名前にしても自然で可愛いですね。
tomoko
2012/02/18 21:06
みま様
 障害児を育てていると、シチュエーションは違っても似たような気持ちになったことがある人はいるかな、と思いました。普通の子と違い、これからどうなるのかという予測も希望もわからないから、自分のまわりの時間だけ止まってるように思ってしまうこと、ありますね。
tomoko
2012/02/18 21:10
本当に先日の東京の雪での私の体験そのままな感じです。子供にジュースを飲ませながら、2歳くらいで可愛くママとお喋りしてる女の子をボーと見つめていました。

K君は、もうその時、自分で傘をさしていたんですね!スゴい〜。弟さんをおぶって傘もさして…なんて大変ですからね、訓練されたのですね。

うちは6歳ですが、どんなに雨が降っていても傘なんかポイですから、気を入れ換えて訓練してみよう。今年の目標にしよっと(^o^)。
一人で傘をさしてくれる♪
考えるだけで、雨の日の外出に希望の光が射してきました(^O^)vルンルン


ケンママ
2012/02/19 17:34
ケンママ様
 傘は、根気よく教えれば絶対にさせるようになりますよ。昔、あえて土砂降りの日に外へ出て、開いてやった傘を握らせることから始めました。今は地域によっては放射能の問題もあるし、雨にぬれるのも考えてしまいますが・・・少しずつ頑張ってみてください!
tomoko
2012/02/19 21:46
ありがとうございます!
そうですよね。「ほら、濡れると冷たいね、気持ち悪いよね?
これをさせば、あ〜ら不思議〜濡れないで、快適にお散歩できるよ♪」と声をかけながら、根気よくやってみます。出来たらお知らせしますね☆
あ〜、まず子供用の傘買わなくっちゃ♪どうせ…と思ってチャレンジしないこといっぱいあるな。チャレンジしなければ、落ち込むことも少ないですから(>人<)。なんと後ろ向きなコメントすみません(^o^;!
ケンママ
2012/02/19 23:17
ケンママ様
 好きなキャラクターや楽しい模様の傘を持たせるというのもいいと思うのですが、場合によっては晴れていてもさして歩きたがる、ということが・・・あくまで「雨が降っているときだけ」を納得してもらう他ありません。なんとかなるものですよ。
tomoko
2012/02/20 12:17

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
白い街 障害児Kとおたく母の疾走日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる