障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 障害者の経済学

<<   作成日時 : 2007/04/13 13:29   >>

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 障害児者の保護者として、本人達の幸せのために学び、動く。それは当然彼ら本人のため、彼らの利害を念頭においてのことです。

 そんな「当事者感覚」を少しの間だけ頭の中からはずしたとき、初めて気付くことがある。そんなことをわからせてくれた本があります。

 「障害者の経済学」 中島隆信 著

 以下、本文より引用

 ・・・障害者をとりまく人々から発信された情報のほとんどは少数派(マイノリティ)である福祉関係者の中だけで流通していて、多数派(マジョリティ)である健常者には届いていないということなのである。

 経済学を障害者研究に適用することの利点は経済学の中立性である。経済学は特定の人の利益には与しない。・・・・中略・・・・経済学は障害者の便益を高めるため、社会にそれ以上の負担を押し付けるような政策には同意しない。福祉のために社会が費用を負担するのであれば、最も効率的な利用方法を見つけることが望ましいと考える。
  

 引用終わり。

 経済学といっても内容は堅いものではありません。よく語られる施設、差別、親の気持ち、就労等の問題が、親としての希望や理想だけではなく社会全体から見たものとして現実的に取材・考察されています。読みやすい。

 本人や親に冷たい意見が述べられているのでは、と思われるかもしれませんが、むしろその逆です。当事者の将来や幸せ、社会での真の共生のためには、目を背けてはいけないこともある、と優しく教えてくれています。

 私は本を読むときに、感動したり感心したりしたページに付箋や栞をはさむ癖があるのですが、この本は付箋でパンパンになりました。目からウロコがボロボロ落ちました。
 
 だから、どの部分がいい、とかは言えません。読了後、できれば可能な限り多くの方に全編読んでいただきたい、もう、耳元で朗読してまわりたい、とか思ってしまいました。

 著者の中島氏は脳性マヒのお子さんのお父さん。そして、大学で教鞭をとる商学博士です。
 「当事者感覚からの脱却」に思い当たり、「障害者の親」でなく「商学博士」としての立場で現在の福祉を取材・検討し、それまで「親」の立場で感じていた問題点を考え直す。

 感情論や悲観主義、不公平感から少し離れ、自分達の状態を客観視して今ある社会経済の流れに乗る真の自立を勝ち取るひとつの考え方でしょう。
 そこから見える新たな視点が、「親」の立場にどっぷり浸かっている私にはとても新鮮でした。
障害者の経済学

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タイトル (本文) ブログ名/日時
「障害者の経済学」について
「障害者の経済学」について いつもいろんな情報をいただく、 tomokoさんのブログからトラックバックさせていただきます。 ...続きを見る
みんなだいじなこどもたちだよ。
2007/04/17 10:04
「障害者の経済学」を読んで
以前、障害児Kとおたく母の疾走日記/ウェブリブログのtomokoさんの記事障害者の経済学 障害児Kとおたく母の疾走日記/ウェブリブログ を読んで。 わ、いい本があるな〜と、すぐに購入した。(私、今までネットで本を買った事な& ...続きを見る
惑星ナイン
2007/05/15 06:54

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして。新着記事からお邪魔しました。
私自身 障害者なのですが、本文より引用 の初めのセンテンスにひかれました。
機会を見つけて、読んでみたいと思います。
どるふぃん
URL
2007/04/13 19:05
どるふぃん様
 はじめまして。興味を持ってくださった方がいると知り、嬉しいです。この本を読んでいると、共生とかバリアフリーとかは、考え方次第で気負わずに実現できるのではないかと思えてしまいます。世の中それほど甘くない、ということは嫌と言うほどわかっていても。ぜひ、ご一読ください。
tomoko
2007/04/14 20:28
 世の中には年を取っているだけで差別されるようなこともあるのですが、我が息子存命の頃、ここはこうしてくれたならと思うことは沢山ありました。毎日が格闘の日々で親でなければやれなかっただろうと思います。是非読んでみようと思います。
yuurakusya
URL
2007/04/15 07:21
yuurakusya様
 「社会に役立たない障害者に使う税金は無駄だ」などと言わせない、障害者だって経済の流れに乗りましょう、ということを教えてくれる本だと思いました。共生ってどんなことなのか、もういちど考えてみようと思います。
tomoko
2007/04/15 15:42
いろいろな立場で物事を考えるのは、いいことです。
みゆきちゃん
URL
2007/04/16 01:42
はじめまして。dr.stoneflyさんの所のコメントより参りました。
>経済学を障害者研究に適用することの利点は経済学の中立性である。
奥が深い言葉ですね。
障害者問題を考えるとき、ついつい「社会の不便性」にのみ、眼を奪われてしまう気が致します。
私自身は。「全ての社会的弱者をも住みやすくするようなセイフティ・ネット」について自分の思索を深めようとしていたのですが・・・・生きている以上、経済的側面を抜きにして語れませんよね。

早速、ここから購入手続きをとらせていただきました。
素敵な方、素敵な本との出会いを嬉しく思っています。
又、お邪魔させて下さいm(___)m
アカリ
URL
2007/04/16 08:43
アカリ様
 はじめまして。興味を持って、なおかつここから購入してくださるとのこと、ありがとうございます。
 障害者であれ健常者であれ、「自分の方が損をしている」と思い込むことが円滑な関係を壊しているような気がしました。相手の立場を完全に理解するのが不可能なら、価値観の統一されている経済の面だけでも理解の一助にならないか、と思います。福祉のお金は税金の無駄、と言われない社会になればいいですね。
tomoko
2007/04/16 13:44
みゆきちゃん様
 お金の問題は難しいので、いろいろな考え方を取り入れて、みんながいいと思えるやり方を探すべきですよね。
tomoko
2007/04/16 15:22

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