障害児Kとおたく母の疾走日記

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<<   作成日時 : 2013/05/25 14:01   >>

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 まだKが幼児の頃、すべてが理不尽に思えていた。自分達だけが苦労している、不公平だと感じていてた。

 「辛い、大変だと訴えても、社会はなかなかこちらに歩み寄ってはくれない」 
 「知的な障害っていうのは、『脳』という身体機能が不自由と考えれば身体障害の一部みたいなものなのに、社会とか世間とかは他の障害ほど思いやったり譲歩したりしてくれないのは何故?」

 
 でも、その後十数年の間にはっきりとわかった。
 こちらの方からも歩み寄る姿勢がなければ社会も一般の人々も歩み寄ってきてはくれない。そのハンデの内容や程度が外見からは推定しにくい障害ならなおのこと。
 思いやりを求めるなら、こちらもできる限りの思いやりを示さなければ。ハンデがある、それだけの理由で無条件に思いやってもらえるわけじゃない。 

 Kは、いろいろな人に育てられてきたのだな、と今になって思います。こちらが気付かない部分で誰かが手を貸してくれた、そのおかげで知らないうちに助かっていた、ということもきっとたくさんあったと思う。

 重い障害を持つ子はいつか社会に託さねばならない、だから支援しやすい人、支援したい親になる。

 そういう考え方は卑屈だ、もっと堂々と、当然の権利を主張して・・・という声もあった。でも、どんなことであれ助けてもらうことには感謝し、相手の好意に応えたい。利用料を介しての支援であったとしても、Kのような人を親身に介助するという仕事は報酬の多寡だけできることじゃない。 

 遊びに連れて行ってくれたヘルパーさんから離れずに歩くように練習する。本人は「ありがとう」と言えないけれど、親としてお世話になった人にはきちんとお礼を言う。そういう時、礼儀だから、ではなく本当にありがたいという気持ちが湧いて自然と言葉や態度に出てしまうことに、最初のうちは自分でも感動していた。

 学校も施設もヘルパーさんも、真剣にKのことを考えてくれている。そう感じられるから、親の考えややり方をただ貫くだけでなくそういう人々からの意見も聞き、外から見た意見として考慮した。その上で納得できなければそう伝えるし、改善すべきと思えばそうした。
 そんな日々を重ねて、私もKもたくさんの経験を積むことができた。

 障害者との関わりの有無とは関係なく、「健常者は何をおいても無条件で全力で理解と協力すべき!」みたいなことをきっぱり言われると、最近はむしろ戸惑う。それよりは、「できることはさせてください」と穏やかに伝えてくる人に安心を感じる。

 「バリアフリー」という言葉のバリアってやつは、なんらかのハンデあるなら避けられない壁。低いものから高いものまで無数にある。目の前にあらわれるたびに必死で乗り越えた。そんな時、そのバリアを向こう側からよじ登ってきた誰かが手を伸ばしてくれた。

 力まかせに体当たりしたら、向こう側の今まさによじ登ってくれている人を傷つけてしまうかもしれない。そんなことにはしたくないです。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
あ〜解ります。「障害があります」を声高に叫びすぎる人はなんか同じ立場でもつきあいづらいです。なんでも主張すりゃいいってものでも、ないですよね。

tomokoさんのお考えはバランスが取れていて個人的にはとても好ましいです♪Kくんも弟くんもその姿勢から知らずに学ばれていることも多いのではないでしょうか。
ちえのすけ
2013/05/25 20:55
おひさしぶりです。4月から都○の特別支援学校に入学しました。波乱万丈の幕開け、、、という感じです(^o^;)
本当にそうだなぁ。と大共感です。

お子様が将来的にどのようになってほしいか、出来るだけ詳しく書いて下さいというプリントを出さなくてはいけません。 困った(T_T)
ケンママ
2013/05/26 07:19
ちえのすけ様
 主張し続ける方が疲れますよね。それよりはお互いに気持ち良く過ごせる工夫をする方が楽しいです。もしこの子を授からなかったら、自分は多分こういう業界(?)にはあえて関わらなかったと思えるので、誰もが無条件で理解してくれることを前提にはできないです。経験してやっとわかったわけですから。
tomoko
2013/05/26 20:30
ケンママ様
 お元気ですか。「将来的に・・・」、うちの支援校も高等部入学時に提出させられました。これは規定なのかな?困りましたね、確かに。回答欄もかなり広くて具体的な記入を要求されていたようなのに、なんか大雑把なことしか書けなかったような。それまでずっと目の前の問題でいっぱいいっぱいだったのだから、仕方ないですよね。
tomoko
2013/05/26 20:34
いつも頷きながら読ませて頂いています。
ホントに大共感です。当事者ではなく、お世話になるはずの福祉施設でも、主義主張を声高に唱えるところがありますね。至極真っ当で有り難いことなんですけど、個人的にどうしても違和感を感じてしまいます。
親の苦手感から、進路の選択肢から外しました。良かったのか、悪かったのか・・・。
まー
2013/05/28 19:50
まー様
 施設の方針もいろいろなので、じっくり検討していくのはいいことだと思います。周囲の人と和やかに交流して平和に生活するために必要なこと、本当にやらねばならないことは何か、考えてしまいますね。
 

 
tomoko
2013/05/29 11:34

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