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zoom RSS 逸失利益って何?

<<   作成日時 : 2010/01/20 12:57   >>

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 重度障害者死亡逸失利益訴訟:重度障害者に逸失利益 青森地裁が初認定

 昨年末のニュースですが、短い中にあまりにもたくさんのことが詰め込まれていて、考えることも多くどう触れたらいいのやらわからなかった。
 どんなふうに語っても、まとまらないと思う。普通、文章を書く場合伝えたい、という気持ちが動機になるのだが、この場合何を伝えたいのか自分でもよくわからなかったりする。ただ、ニュース記事のリンクが切れる前に何か残したいと思うので。
 
 ゆえに、法解釈の部分での突っ込みはカンベンしてください。

 逸失利益、というのは「受けられるはずだったのに不当な理由で受け損ねた利益」。
 たとえば、若くして理不尽な死を遂げた人がいた場合、その人が生存してその後得たであろう賃金額。慰謝料とは別物なのだそうです。

 死亡時の職業等で算定されることが多く、子供の場合はさまざまな考え方があるらしいのですが問題になっていたのは死亡したのが重度知的障害者であったケース。

 上の記事によれば、これまでは重度障害者の場合「将来の労働能力を認めるのは困難」として逸失利益を認められなかったり、またそれを不服とした訴訟も起きてはいたが和解にとどまり勝訴には至っていなかった。つまり、今回の件が初めての勝訴となったわけです。

 法律関係の仕事をしている障害児親仲間によれば、これは、かなり画期的かつ重大なことだそうです。
 「判例ができた」ということですから。

 判例があれば、保険会社等は事故等の賠償の算定時にそれを尊重するようになる。「ゼロ」を提示されても不当であると抗議する根拠ができる。

 周囲の障害児親に聞くと、多数派なのは
 「自分の子だったら・・・と思うと、その存在価値みたいに受取れるものが数字で、しかもゼロとか言われたら正直悔しいしショックだと思う。でも、じゃあ重度の我が子が自力で金銭的な利益を得られるか、と考えるとちょっと・・・

 というもの。

法律業の保護者の話をいろいろ聞くと、そもそもこの逸失利益というものが、とくにまだ職についていない未成年者の場合かなり問題になるらしい。

 たとえば、同じ原因で同年齢の未成年者が死亡しても個々の事情でその算定額が違うというのだ。
 賃金格差の問題から、男子の方が女子より多くなることがあり問題になったというのは聞いたことがある。しかし、驚いたのは親の職業や収入によっても算定に差がでることがある、ということだ。

 高収入者の子は高収入者になる。そうでなければそれなり・・・と判断される、ということか。いや、その子にかけられてきたお金に関わるということか。
 これを聞くと、逸失利益という概念そのものに正直疑問がわく。

 また、「あなたの子の逸失利益は認められない」とされた親が訴訟まで起こす気持ちもあらためてわかる。そんなにお金がほしいのか、という声もあったらしいが、ただお金がほしい、というのとは違う。

 そんなわけわからん数字を、ウチの子の価値みたいに言わないでくれ。世間にそう訴えたかったのだと思う。

 逸失利益イコールその人の価値、ということでは決してない。ただ、いろいろなことを乗り越えて育ててきた親の立場からみればその子の存在そのものが価値ということもあり、それを奪われたことは確かに「損害」だ。

 そして、それを広く世間に訴える最速の手段が「訴訟」という形でやはり数字(お金)を求めることだった、ということかと。
 
 訴訟やもめごとの解決方法として、さまざまなことがお金という数字に置き換えられる。それは仕方ないとして、せめてその基準がもう少し納得できるものにならないものか。
 やはりまとまらないな。的外れな結びでごめんなさい。

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みんなだいじなこどもたちだよ。
2010/01/21 15:02

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
うんうん、もやもやする気持判るような気がします。
そもそも、いのちの大切さって、お金に換算できるものでもないですよねえ・・・
確かに障がいがあれば、将来毎月20万以上の手取り賃金なんて夢かもですが、
親御さんとしては、子どもさんの存在価値までまるごと全否定されてしまったようでやりきれないのかもとも思います。
ちえのすけ
2010/01/20 19:50
よく知らないので恐縮なんですけど

子供さんが鉄道事故で
(それも子供さんが敷道内を歩いたから9
亡くなられ、その後お父さんが お子さんの
映画を作られましたよね。

あの時思ったのですが
こういう鉄道事故(自殺なんかでも)の際は
鉄道会社から損害賠償を請求されることが多いと聞いています。実際 ブログを拝見すると
当時 損害請求が来たらしいです。

が、その後 請求がどうも取り下げられたらしい・・・

それは彼らの逸失利益が無いに等しいことから
来ているのではないか と当時思いました。
本当のことはわからないけど。
通りすがり
2010/01/20 21:52
ちえのすけ様
 生きてるうちにどれだけ稼げたか、なんてよく考えれば健常者だって確かな予測はできないと思うのですが。理屈はわかるけどちょっと言わせて、という気持ちにはなります。知的な障害は重くても、成長してから創作物で立派に収入を得られるようになった人もいます。考えてしまいますね。
tomoko
2010/01/21 21:41
通りすがり様
 その作品の本は読んだしお子さんが亡くなったことも聞きましたが、映画やプログは拝見していないので細かな事情は知りませんでした。そういうことがあったとすると、法律の解釈や受取り方もケースバイケースなのでしょうね。難しいです。勉強する必要がありそうですね。
tomoko
2010/01/21 21:46
明らかにお金目当てだろうというものもありますが、なくなったものに対しての評価が金額に反映されるという現行制度のもと、妥当な決着を求めて訴訟を起こすことは当然と思います。ただ、自身の怪我の場合や、亡くなった方に長期にわたって扶養を受ける立場の方が主張するのはともかく、親が子の逸失利益を受け取るというのは…個人的には少し違和感がありますね(制度のあり方として)。

個人的な違和感はさておき、ほんと、地裁レベルといえども判例ができたということは大きいです。今回は地裁で結審したようですが、今後同様の訴訟も起こっていくと思うので、他の裁判官がどんな判断をするか要チェックですー!
咲冬
2010/01/22 12:01
咲冬様
 確かに、親が未成年の子を残して亡くなった場合は必要だけど、その逆はちょっと考えてしまいますね。子を亡くした経緯によってはとにかく相手を法廷に引っ張ってきたい、という気持ちもあるかもしれません。
 重度といっても頑張ればそれなりの収入が得られそうだった、でもその判断が微妙・・・くらいの人もいると思うので、判例ができればそういう人の逸失利益もよく考えてもらえるようになるのではないでしょうか。
tomoko
2010/01/22 12:25
書いてくださってありがとうございます!
tomokoさんはご存知ですが、私は詳しい話を記者会見で聞いたので、少し情報を残して置きますね。

今回のケースは亡くなられたお子さんは卒後の就職先が決まっていました。
工具を使って作った製品も「これだけできる」という証拠として提出したのだそうです。
それから、重度の障害者でも雇用の場が増えているということ。
あと、あまりにも相手側が生前から誠意の無い対応(他の利用者からひどい暴力を受けていたことを知らせていなかった。そして、解決しようとしていなかった、事故後の誠意ある謝罪も無いなど)に遺族がひどく傷ついたこと。
そして、その後も施設は別件で溺死事故を起こしていること。

うまく言えないのですが、上記のことがあり、それでもなんていうのか、ゼロを盾にして、不誠実な応対をされたので、「訴訟」という形を取らざるを得なかったんだと思います。

このケースは施設内の事故ですが、交通事故などが1番多いでしょうね。
私もうまくまとまらず・・失礼しました。
ボウズ母
2010/01/22 22:02
いつも楽しく、また、興味深く拝見させて頂いています。

命に価値があるなんて初めて知りました。
自分の無知さにも呆れますが、今回のテーマはとてもショックでした。
立派な家庭に育ち、立派な教育を受けたとて、
人の命を平気で奪う人がいる世の中で、
こんな計算がなされていたとは…悲しいです。
勉強不足で的外れなことを書いていたらごめんなさい。

読者
2010/01/23 00:14
ボウズ母様
 補足ありがとうございます。ブログの性質上、そちらのへのTBやリンクはご迷惑かと考えていたので・・・
 相手の対応のこと、就労が決まっていたこと、それを知ればさらに親御さんの無念が伝わってきます。この件が判例となったことで、少なくとも「ゼロを盾にとって」という対応はできなくなるかもしれませんね。
 命というものに対して、お金という形以外の敬意を払うようになってくれれば、と思います。
tomoko
2010/01/23 12:02
読者様
 ありがとうございます。恐縮です。
 亡くなった人の将来の可能性をお金に換算するということ自体が虚しいと思うのですが、それをする必要も現実にはあるのなら(親が子を残して亡くなった場合等)仕方ないでしょうね。でも、子供の将来の可能性なんてそれこそ未知で、性別や親の職業では測れません。割り切れないものが残ります。私も法律方面は苦手でつい面倒になるのですが、この件でやはり勉強しなくては、と思い直しました。
tomoko
2010/01/23 12:11
 私の感覚は一昔前のものなのかもしれません。親が子の遺失利益を受け取ることに、違和感を覚えないのです。

 子どもというのは「老後の保障」を期待されているところがある(orあった)のではないでしょうか。社会保障がこれだけオソマツなこの国にあっては。
 私にもしものことがあった場合、子どもの養育だけでなく、両親の介護ができなくなることについても賠償してもらいたいと思ってます。

 もっとも、養育も介護も社会保障制度で補える世の中を目指すのが正道だとは考えておりますが。
ドロシネア
URL
2010/01/23 21:07
ドロシネア様
 世代とかでなく、多分様々な考え方があるでしょうしそれでいいのでは、と思います。介護にしろ子育てにしろ、頑張っていたのにそういう不幸に遭遇してしまった場合も含めて、苦しんでいるすべての人に手を差し伸べられる福祉であってほしい。弱い者を救えない社会に希望を見出せず、結婚や出産をして「支えるべきものを持つ」気持ちになれない若い人も少なくないと思います。
tomoko
2010/01/23 23:23

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