障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS ドラマ「輪廻の雨」・・障害ファンタジー?

<<   作成日時 : 2010/01/11 20:27   >>

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 以前から何度も書いているけど、こういうドラマは地雷踏みまくって満身創痍になるのが嫌だから慎重に選んで見ることにしている。
 
 ただ、今回は
 ・平成ライダー2人が知的障害者とその兄を演じる
 ・ついでにタイムレッドが刑事役で出演する
 ・深夜の1時間単発ものだからさらっと見られそう


 ・・・・以上の理由で、この「輪廻の雨」を録画して見ました。

 なんというか。とにかくファンタジーだ。
 感動したという人もいるだろう。でも多分、障害児とそのきょうだいを育てている人はなんか違う、と感じると思う。

 工場に勤め、雇い主から虐待を受ける知的障害者の弟。たったひとりでその世話をしながら、奨学金(?)とバイトで大学に通う兄。兄弟に寄生しょうとするDV父。兄弟を理解しようと努める兄の恋人。

 キャラ、というか手牌が揃いすぎていて、即ハネ満であがれそうなのになぜあえて流局にしてしまったのか。そんな印象。

 サソード山本君演じる兄は、知的障害を持つ弟・キバ瀬戸君を虐待する工場長を殺害してしまう。それほどに強い「弟を守りたい」という気持ちは、タイムレッド刑事やDV父の出現で少しずつ揺れていく。

 ラストは正直言って後味が悪い。これはないだろ、というか。

 後味は悪いのに、地雷は踏んだ気がしない。先に書いたように、あまりにファンタジーだから。設定が甘いせいもあり、いまひとつ現実感がない。
 ドキュメンタリーでも啓発番組でもない、ドラマだ。フィクションだ。それは当然だろう。

 でも、ああドラマだもんね、と軽く流して終わりにするにはどうにも・・・というか消化不良にもほどがある。
障害者と親、兄弟の気持ちの部分にまでほのかに漂うファンタジー臭が、腹も立たないがなんか受け入れられないのだ。

 たとえば、もうずっと以前にここで取り上げた「攻殻機動隊」における自閉症モードとか電脳閉殻症とかの概念とその作品内での使われ方。素材として使ってはいるが、知識として無機的に物語に組み込んでいるという点で、素直に受け入れられたし後味も悪くなかった。
 
 だが、この作品では知的障害とか自閉症とかがモロに有機的な、ドロドロしたものを表現するためだけに使われているような気がした。家族とか兄弟の絆を情感たっぷりに描くファンタジー・・・的なものにするために。兄弟がともにイケメンである、という点もそういう意図ならばわかる。

 受け手の心を動かすのは素材じゃなくてその利用の仕方なんだなあ、とつくづく思ったのは、先日の「シンケンジャー」の影武者騒動で涙腺がゆるんだ時。子供向けヒーロー物の設定を使って、人の絆とか喪失感とかをあれほどストレートに伝えられるものなんだな。
 
 この「輪廻の雨」をファンタジーとしてではなく障害者とその家族の一般的な現実である、と受け取ってしまった人もいるかもしれない。 「え、自閉症の人ってああいう考え方や行動するの?うわー、変なの。みんな、あんなかわいそうな生き方してるの?こういう人が家族にいると悲劇よねー」みたいな感想でおしまい、かもしれない。

 地雷があるとしたら、そちらだ。 

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
このドラマが放映されることを知らなかったです〜、深夜もので単発だと、あまり日中番宣もしませんし(^^;)仕方なかったですが。
ファンタジーな自閉ドラマ・・どんな雰囲気だったんだろ?再放送がもしあったら録画してみたいです。
ちえのすけ
2010/01/13 11:02
ちえのすけ様
 再放送はわかりませんが、現在ネットで配信しているサイトもあるようです。
 うまく言えないのですが、障害者の存在が悲劇や不幸に繋がったとしてもこんなきれいじゃないよ、という感じ。良くも悪くも後に残らないのです。機会があればご覧になってください。
tomoko
2010/01/13 12:22
ドラマティックさを求めれば現実味は無くなるのが当然ですが・・。障害者はこんなに極端でなくもっと複雑なのにと思いました。その周囲も。
これは仰るとおりファンタジーであって欲しい間違っても障害者ドラマと銘打ってもらったら困るなぁというのが感想です。
特撮イケメン俳優さん達が想像以上に熱演されていただけに残念です。
もよこ
2010/01/13 22:48
もよこ様
 そう、なんというかドラマティックな方向に持ってこうとしていびつになってしまった感じでした。個別にはありそうな事情なのに、全体がリアルじゃない。お兄ちゃんの熱演にはちょっとジーンときただけに、複雑な気持ちでした。
tomoko
2010/01/14 13:41
ドラマの存在自体を知らなかったです。
観たかったような、見なくて良かったような…。
サソードとキバが強大化…ではなく、兄弟…
キャスティングだけだと、普通のドラマで観たかったな。
はるな
2010/01/27 11:53
はるな様
 二人の熱演にはうるっときたのですが・・なんというか、現実味も救いもなくて。同じ設定で、もう少し明るい内容で早い時間帯に放送したら人気がでるかも、とは思いました。サソード兄ちゃんが泣かせるんですわ、また。
tomoko
2010/01/27 12:10
僕はこのドラマ好きでした。現実味のある障害者のドラマやドキュメンタリーなんてNHKとかでやればいいし、そもそも障害者のことを書きたい話じゃないと思います。実際に障害者のいる家庭を持つ方ならば、結局今回のドラマじゃなくたって“本当はこんなんじゃないのに”と思うのではないでしょうか?だって、自分が一番分かってる、他の人なんかに分かりやしないとどこかで思っていて、ドラマを観る前から批判してる部分があると思うんですよね。なのに、何となく観てみたらやっぱダメだった、みたいなかんじじゃないでしょうか?そういう気持ちを持って観るのは、作者にとても失礼だと思います。それなら最初っから観なくていいのでは?あなたの感想を読んだら、そう思いました。障害者というキーワードに捕らわれすぎて、このドラマの伝えたい部分を見逃しているのではないでしょうか。
X002
2011/01/17 21:56
X002様
 おっしゃるとおりだと思います。本当は違う、といちいち言っていたら、フィクションとかドラマは作れませんよね。刑事ものとか業界ものとか。
 ただ、私の周囲の、ドラマと似た家族構成の方々は見ていて胸を引き裂かれるほど辛かったと言いました。実際に弟の介護を手伝っているお兄さんとか、ですね。でも、それは自分達の事情だから、ということも皆わかっています。
 ドラマとして評価する前に、自分の現実と重ね合わせてやりきれない悲しみを感じる人も僅かではありますがいます、いいドラマには絶対にならない生活をしている人がいます、でも大きな声で伝えられないんです、ということを書き留めておきたかった。
 不快を感じられたとしたら、それは私の表現力のつたなさゆえです。本当にむ、申し訳ありませんでした。
tomoko
2011/01/18 21:36

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