障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 続・支援学校高等部というもの

<<   作成日時 : 2009/06/11 13:07   >>

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 高等部入学から2ヵ月余。学校の玄関前から頑として動こうとしなかったKが、ようやく自分から歩いて下駄箱の前で靴を脱ぐようになりました。
 2ヵ月でそれですか。そうなんです。でも、進歩には違いないんです。作業の時間等にパニクる頻度も減ってきたし、笑顔も増えているとのこと。ようやくひと息つけそうだ。
 あとはただ、このまま穏やかに活動してくれるようになってほしい、祈るしかない毎日です。

 高等部が厳しい、ということは何度も触れました。ただ、この場合の「厳しい」というのは単に指導方法とかの問題ではない。一般校、支援校以前にまず「高等部」とはどういうものか、ということにも関わっています。

 以下は、あくまで私個人が考えていたこと。一般論ではない。そこをご理解ください。
 
 つい先頃まで、今だから言えるけどKの状態はひどいものだった。とにかく学校にいる間中、自傷行為と泣き喚き。先生もかなりてこずっていた。障害の重い子は他にも結構いるけれど、彼らは行動や作業に遅れはあってもその流れにそって動けている。
 なんにしろ、先生が常にがっちりついて抑えねばならないっていうのは非常事態。

 少し前、作業実習の参観がありその様子を覗き見ることができた。・・・だめだ、こりゃ。親から見てもそう思える。
 
 その後の個人面談の時に思い切ってお願いをした。

 「自傷は本人の意思でも止められない行為です。できれば、ノルマをこなすことや作業効率ではなくまず精神的な安定をはかっていただけないでしょうか。」
 「環境の変化に極端に弱い子です。この学校は自分が安心できる所だということがわかれば、作業にも他の活動にも集中できると思うんです。」


 先生も、それはわかります、と言ってくださった。ただ、

 「他の生徒の手前、ということもあるんです。」

 ひとりだけ、ノルマもなく作業工程のルーティンにも入らず、時々クールダウンする子がいる。
 それを、「ずるい、どうして」と感じる子がいる。それを口にする、知的に高レベルな子もいる。

 ああ、そうだ。ここは、高等部。
 特別な支援を必要とする生徒のための学校ではあるが、目指すのはレベルアップ。就労を視野に入れた現実的な指導に向いていないなら、高等部に進学などせず施設入所や生活介護施設に通所という道もある。
 
 あ、学校の名誉のために追記。
 別に退学を示唆されたとかは全くありません。逆に、先生はなんとかいい方向に向けようといろいろな努力をしてくださいました。私の方で勝手に悪い方向へ考えてしまっただけなんです。これは確かです。

 ただね、義務教育ではない、退学という選択肢もある。
 ということは、学校の指導や対応の方法に対して保護者が必要以上に細かな要望を提示するのは非常識なのだろうか。・・・とか思ってしまったわけです。
 
 「うちの子はこうだから、他の子よりこういうふうに・・・」のようなことをあれこれ言うのは筋違いなのかもしれない。そういう特性を持っているということは、そもそもここで学ぶ集団活動とか社会生活自体が無理。冷静に考えれば、そういうことじゃん。
 しかしまあ、我ながら、人間の考えることってマイナスに加速を始めると際限ないな。

 そんなこんなで、考えることさえ面倒になりかけたところへ。
 
 担任の先生が、思い切ってKの作業からノルマをはずし、余裕を作ってくださった。
 活動の提示から指示の仕方、Kの様子を観察しながら少しずつ指導を模索してくださったそうです。
 ・・・するとどうでしょう、その直後から少しずつKの状態が落ち着いてきたのです。

 その後、少しずつ登校時の抵抗の力が弱くなっています。作業の効率も上昇してきました。ついていけるかもしれない、という希望が見えてきた。
 おそるおそる提示した親の願いを真剣に検討し、試行錯誤しながら取り入れてくださった先生には心から感謝したい。

 あらためて、教訓。
 逃げちゃ、だめだ。
 どこかで聞いたセリフだけど。

 この件に関しては、もう一回くらい追記予定です。

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「ピアニスト辻井君へのインタビュー」…怒りを止めることができない
プチ、プチプチ、プチチ、、、ドッカーン!!! キレました。もうキレまくりのスクランブル。 テレ朝のバカ昼ワイドショー。 テレビのスイッチオンが怒りのボンブスイッチオン。 3分後にクラッシュ。 あれだ、あのインタビューだ。 あのインタビュアは誰だ!! ここに晒して抹殺したい衝動にかられれる。 ...続きを見る
dr.stoneflyの戯れ言
2009/06/12 08:39

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
そうなんですね〜義務教育ではないのですよね。satoの養護学校(名称は特別支援に変わりませんでした)は、小学部から高等部まで同じ校舎にあります。だから高等部まで進むのが当たり前だと親は思ってます。でも確かに違うのですね。分かっているようで分かっていない事。親も色々考えないといけませんね。
sato母
2009/06/11 22:46
 フランスの小学校には「落第」というシステムがあるそうです。30年前に初めてこのことを本から知ったのですが、あらためて調べてみましたら、今でもこのシステムがあるそうです。
 「もう時間になったから、後は自力で巻き返して」と本人の習得レベルに関係なく上の級へと押し出すのではなく、本人が一定以上のレベルまで習得できたときに「進級」とする。

 習得させるべき内容を習得できていなくても、1年経てば必ず進級できるという日本の義務教育システムも、それはそれでいいところもあるかと思いますが。
 きっちり習得できるまで指導する、そういうシステムもいいんじゃないかと私は思います。小学校のように基礎的な教育はなおさら。

 私は、落第や飛び級というシステムも「あり」だと考える派です。
 記事内容と直接には関係ない話ですが、こういう考え方もどうかな?と。
ドロシネア
URL
2009/06/12 00:17
う〜ん、難しい問題ですね。
それにしても、K君、本当に辛かったでしょうね。もちろんtomokoさんも。穏やかに推移することを祈ります。先生が聞く耳を持ち模索してくださる方でよかったです。ちょっと安心。
指示や指導の仕方で本人が楽になり、いろいろな事が好転してくる・・・これが実感できたことは、卒業後新たな場所に行った時にきっと役に立つに違いない、心の支えになってくれると、私は自分に言い聞かせていま〜す。
ところん
2009/06/12 10:58
tomokoさんの高等部は、レベルごとにクラス分けは、ないのですか?
じゃいこ
2009/06/12 11:13
sato母様
 こちらでも今はほとんどの卒業生が障害の程度にかかわらず高等部に進学しています。だから、なんとかなるだろうと楽観していました。でも、今回のことで親子して学ぶことは多かったです。さらに先のことを考えるきっかけになりました。
tomoko
2009/06/12 11:41
ドロシネア様
 一般的な学校も含めて、私もとび級や落第は個々の向上心や適性、能力をのばすためにいいことだと思います。ただ、日本人の横並び志向はその目的や効果を捻じ曲げてとらえてしまうのでは、という感じもします。
 支援学校に落第があったら・・・正直、10年くらい通わせたい・・・すみません。
tomoko
2009/06/12 11:48
ところん様
 まったくそのとおりです。先生がいろいろ考えてこちらにも相談や意見を伝えてくださったからたくさん話し合えていい結果が出つつあるのだと思います。行き止まりかも、と決めずに出口を探すことは大切だな、と知りました。
 
tomoko
2009/06/12 11:52
じゃいこ様
 はい、クラス分けはレベルごとになっています。ただ、作業は全クラスシャッフル状態でそれぞれの適性に合わせたことをやります。作業において障害の程度で差がつけてもらえるのはノルマの量と補助の有無くらいかな。実に現実的です。
tomoko
2009/06/12 11:56
確かに息子の時も実習の時は、いろいろな
お友達と一緒で、担当の先生も担任ではありませんでした。そんな理由からか、実習期間はとても不安定で2週間めになるとなんとかやってるようでした。驚いたのは、絶対に無理と思えた
農作業での一輪車の操作ができるようになったことです。初めは、怒る息子の手に手を添えながらから始まりバランスを保つことなど数々の難関をクリアーして最後は担任が、後ろからそっと見守ると完結しました。これぞ、特別支援学校の王道?と今思うと感じます。
さぞ、成長したと思いきや、卒業後福祉的就労した今も朝、行き渋り。車に乗ったら乗ったでフリーズして降りない降りない。施設の玄関で挨拶も気が気でなく後を追われないようにすばやく帰るのは、tomokoさんと同じです。
車のハンドル握ると大きなため息。
一生これが続くのだなーと・・・・
実習での荒れ具合をすぐには、文章にしたくなかったtomokoさんの気持ちわかります・・・
じゃいこ
2009/06/13 16:22
じゃいこ様
 まさにうちの子の様子を説明されているようで、驚きました。そういう感じで、今はそっと見守ってもらっている段階でしょうか。少しずついい状態になりつつありますが、卒業後も似たようなことが繰り返されるのだろうな、と予想できます。
 それでも、ずっと同じではない可能性もある、と信じて付き合っていくつもりです。
tomoko
2009/06/13 21:27

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