障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 扉の向こう

<<   作成日時 : 2008/02/04 11:36   >>

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 子供の障害を知り、落ち込みつつもなんとかしようと考え、役所や児童相談所に紹介された療育機関や福祉施設を見学に行った時に受ける、軽いけどかなり効く最初の衝撃。

 それは、「施錠」ではないでしょうか。

 まだ我が子の障害について決定的な覚悟や受け入れはできていないけれどとりあえず対策を、と動き始めたくらいの頃。施設を訪ねて子供達の様子を見せてもらおうとした時。
 案内された入り口に太い鎖がグルグル巻かれ、大きな錠前がついていた

 それを慣れた手つきではずしていく職員さんの明るい笑顔とごつい鎖のミスマッチ感が、うまく言えないけれど怖かった。
 また、見学先の施設で部屋の出入り口についていた種類の違う複数の鍵を見て驚いたという人もいました。

 入所施設で、事務棟と宿泊等を隔てる扉はたいてい分厚い。見渡せる範囲にある他の扉とは明らかに違う、頑丈で大きな鍵のついた重い扉だったりする。
 
  限られた条件の中で、利用する障害児者本人の安全を考えたなら仕方がないこととわかります。今ならば。(最近はそれほど露骨なつくりにはなっていない所が多いようですが)

 でも、まだそんなことまで思い至らない時期には、これは結構強烈なイメージでした。

 大きな鍵。厚い扉。私の子供は、その向こう側の世界の人なのか。こちら側で私たちが感じている日常とは、別の時間を過ごすのか

 差別とかではない、そういう隔たりはあるのだ、とはっきり知らされる。ひたすらに悲しくなる人もいれば、腹をくくるきっかけになる人もいる。

 あの扉の向こうの人々の日常と私たちの、いわゆる「普通の」日常の周波数を合わせるのは、理想ではあるが簡単なことではない。共生とか脱施設という言葉を聞くたびに思います。 

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普通の感覚
今日の昼食は「豚キムチうどん」だったんだけど、私のうどんには「豚」が一つも入って ...続きを見る
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2008/02/13 22:42

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
ああ〜、それ私も経験ありです!!通園施設にはじめていったとき、子どもが手が届かないドアの一番上〜についた鍵、正直ショックではありました。でも一度、鍵のついたプレイルームを施錠しわすれたときに同じ棟にある成人のかたが乱入してものすごく暴れたときがありました。そのときにはやはり必要性を実感はしましたが。
地域の特殊学級でも、部屋に鍵がかかるところとかからないところがあります。うちのクラスには鍵はありません。それは正直嬉しかったりします。でも脱走するお子さんの安全を考えると・・・・難しいですね。
ちえのすけ
2008/02/04 12:40
そうですね、働いているときは普通に鍵を閉めていたのですがいざ自分の息子が鍵を閉められる立場になると思うと何とも言えない気持ちになりますね。
通園に息子を預けていて向かえに行ったときに息子が服を着替えさせてもらっている姿を見て「私が倒れたらこの子は服の着替えさえ流れ作業でされてしまう」って実感してしまいました。そしてそれに従うだけなんだって。
鍵とは違う話ですが通じるものがあるかなって思いました。もちろんスタッフの方はいい人でそこの通園、息子は大好きなんですけどね。
特に入所施設が併設してある訓練施設に行くと「母親である私がついている」息子の日常とそうじゃなくなってからの息子の日常の差を考え、受け入れられずにいます。
きみよ
2008/02/04 18:13
ちょっと違う話かもしれませんが。
数年前に役場の福祉課の人がコーディネーターと一緒に我が家に面談に来ました。次男(当時4歳・うちは男の子2人自閉症です)が、2階の窓に上るようになって、という話をしたら、福祉課の担当者に即座に「窓に格子を付けたらどうですか?」と言われました。
窓に格子付けられるって……刑務所みたいだよな……自分の家なのに……と、凹んだ覚えがあります。
安全を考えたらそれもアリなんでしょうけど、家族はなかなかそこまで割り切れないんですよね。
ちなみに、次男は今は背が伸びて見晴らしがよくなったからか、ほとんど窓には上らなくなりました。格子付けなくてよかったです(笑)。
Nie
2008/02/05 09:57
ちえのすけ様
 ありますよね、やはり。必要だということはわかっても、ため息が出ます。
 最近は特学でもいろいろな状態の子が在籍しているから、必要な場合は鍵をつけることもあるのでしょうね。
tomoko
2008/02/05 12:42
きみよ様
 私も、着替えや食事を面倒見ていると、入所とかしたらじっくり世話をしてもらえるのは難しいだろうな、服のコーディネートなんてきっとめちゃくちゃだろうな、食べこぼしても放置されることが多いのかな、などと考えて悲しくなります。施設では「大勢の中のひとり」ですからね。贅沢はいえないけれど、辛いです。
tomoko
2008/02/05 12:48
Nie様
 窓に格子、それは簡単に割り切れませんよね。高齢者と生活するためにスロープをつけるとか、そういうのとは全然違いますし。うちも昔引き戸に無理やりなカンヌキをつけたり移動を知るためにやかましいドアベルをつけたりしたことがあります。いわゆるふつうの環境で安全に生活するということも難しいのかな、なんて思ってしまいました。
tomoko
2008/02/05 12:55
あれ? 昔はそういうところが多かったけれど、最近は鍵してないところが多いですよ。大事なパソコンの部屋や危険な場所だけ鍵がついていて、他はけっこう開け放たれています。こちらの方が大丈夫なのかなぁ?と思うくらいです。
キョン
2008/02/06 13:17
キョン様
 情けないことに、うちのような田舎では福祉施設はすごく少ない、そして古い、という二重苦なのです。また、私や子供が同世代という保護者が最初にそういう所を訪れた10年くらい前、というとさらに・・・悲しいわ。
 でも、最近できたところは確かに明るくて開放的な雰囲気を出すような工夫がありますよね。そういうところがもっと増えてくれないかな、と思います。
tomoko
2008/02/07 14:19
今回の記事やそのコメントにすごく共感しました。こういう正直な本音の感想ってなかなか聞けないんですよね。

私は現在施設で働いていますが、最初に施設を見学させてもらった時はかなりショックを受けました。そんな私でも施設の中にいると、世間の常識と施設の非常識の違いがだんだん分からなくなってくるんです。
私自身が「扉の向こうの人」にならないように、いつまでも普通の感覚を持っていたいと思います。
macky
URL
2008/02/08 15:28
我が子は重度心身障害児・十数年前まだ幼児だった息子を連れて初めて施設見学した時の衝撃はかなりのものでした。鍵はついていませんでしたが、床に私と同年齢の結構高齢の入所者がゴロゴロしていて、その間をぬうようにバギーを押して歩きました。その光景がショックで・たぶん顔に出ちゃったんだと思います 施設長に 何所も同じような感じですよ〜 と言われた事鮮明に覚えています。子供が小さかった事と 預けなければいけない状況にもならずそのまま数年が経過していましたが ここ1.2年で預けなければいけない状況になり渋々利用  重身施設は少なくて選ぶ余地なし・あ〜あ・・・と思うことも多々ありますが、親と同じにはいかないという事を子供にも経験させていかないといけない年齢に来ているので 最近は定期的に預けるようにしていますが・・やはり胸に引っかかるものがあります。どんなに良い施設があってもたぶん同じ気持ちじゃないかなぁ〜 自分に何かがあって家で生活できなくなったらこの子はここで生きていくんだなぁ と思うと何だかせつなくなります。まだ預けることに慣れてないってことなのかな〜 ごめんなさ何だかズルズル書いちゃいました。
スルメ
2008/02/09 01:35
macky様
 その扉の向こうで働いている方の感覚ということには思い至りませんでした。バランスを崩すことなく様々な利用者に対応するのは大変なことと思います。外の空気をできるだけ内側に運んでいただければ嬉しいです。
tomoko
2008/02/09 14:02
スルメ様
 養護学校の保護者で重度対応の入所施設を見学した人がやはり、あまりの様子(言葉にできない)にショックを受けたそうです。施設の環境や対応に問題はないけれど、作業にも参加できず身辺自立も不完全な成人利用者が施設で暮らすということの現実はやるせない、ということらしい。
 親亡き後も視野に入れ、他人の手に慣れさせるために時々短時間の利用をしていますが、やはり複雑な気持ちです。
tomoko
2008/02/09 14:10
鍵、嫌だなあ
http://red.ap.teacup.com/miyukichan/
みゆきちゃん
URL
2008/02/09 17:16
みゆきちゃん様
 そうですね。でも、安全のためには仕方ないことでもあるので、なんともいえません。
tomoko
2008/02/10 13:05
こういう感覚を覚えておきたいと思い、記事に使わせていただきました。TB送っておきますね。
macky
URL
2008/02/13 22:37
macky様
 ありがとうございます。関わるほどに福祉というものはいろいろなことを考えさせてくれます。それらの中で何か得るものがあれば、と思います。
tomoko
2008/02/14 22:07

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