障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 本人の、幸せ

<<   作成日時 : 2007/10/08 11:51   >>

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 何年か前に、脳性マヒのご本人の講演を聞いた。体は不自由だが知的な面ではとても優れた方で、生活も経済面もしっかりと自立していらっしゃる。

 印象に残ったお話がひとつ。

 「子供の時から、不自由な手足であってもひとりで食事ができるように、できればひとりで歩けるように、と訓練されてきた。」

 「かなり上達はしたものの、やはり食べこぼしなどもあるし、無理に歩こうとすると体に負担がかかって辛い。」

 「よく考えれば、介助してもらってきれいに食べたほうが、食事もゆったりおいしく食べられる。最新型の車椅子でさっそうと移動すれば周囲に目も向くし楽しい

                      ・・・そういうふうに考えちゃだめですかね。」


 手掴みになりがちで食べこぼしが多いけど、いつも嬉しそうに食べている、当時のKの食事風景を思ったものだ。

 傍から見れば不快で見苦しいけど、本人は幸せそうじゃないか。羞恥心もないのなら、本人は困ってなどいないように見える。
 食事をするごとに、脇にいる私から注意や矯正をされるほうがよほどストレス、ではないか。

 どうせ一生「完全な自立」が無理なレベルなら、本人に苦痛を感じさせるより最初から「完全な介助」に頼ることだけを考えるほうが、本人の幸せかも・・・

 そんなことを考え始めたときに、天の声。

 「障害の種類や立場の違いを無視して自分達に都合のいいほうに問題をすりかえちゃいけないな。よく考えてみろよ。

  ・あの講師の先生は、手厚い介助を受けたときに『ありがとう』って言えるんだよ。感謝の気持ちを伝える術がある
  ・そして、その手厚い介助や最新型の車椅子を用意してもらえる経済力を、自分の努力で手にしたんだ


 『完全な介助』を得るために必要なそういうもの全てを子供に残していける自信があるのかい?笑っちゃうぜ。」


 ・・・・時々どこからか湧いてくる、妙にひねくれた自分の心の声。このときばかりは後で感謝しました。

 この講師の先生は、「できないことをさせるな」ではなく「できない不便を補う方法はいろいろある」ということを話してくださったのにね。

 それから年月はかかったし、まだ注意も指導も必要だけれど手掴みも食べこぼしも少なくなったKは、当時より明るい笑顔で食事をしています。 見ている自分も、心が少し軽くなりました。

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
そうなのよ、ウチもいつもそうかもとそうじゃない、という気持ちの狭間であっち行ったりこっち行ったりの毎日。でも結局、本人なりのやり方進み方でしかいけないんだよね。
 時々思うんだけど…なにかできるようになった時、私のおかげとか誰かのおかげという風に見えるけれども…実はその本人のその時が来たからなのかもって思うときがあるのよ。
 もちろん、親の努力も必要だけれど、本人のその時も重ならないとダメなように思う。だからそのタイミングを間違えないのが一番の近道のような気がします。それまで地道な無理でない努力は少しずつやっていかなければその時も来ないとも思うし。むずかしいね。でも、お互い、楽しみながらいこうね。
キョン
2007/10/08 15:01
おたく母さん、初めましてぶんねんです。
介護はやった者しか解らない事が沢山有ります。ヤハリ介護されている人の事を一番に考え、その人の為になる介護を目指して行く事が良いのでは無いかと思います。今は時間、等の束縛から無理矢理介護をしている人を中心とした介護になっている様な気がします。
改めて考えさせられますね。
介護される方が毎日楽しい時間が過ごせるよう
頑張って下さい。

私も介護ブログを書いている立場上皆さんに
一つでも役に立つ事が伝えれれば嬉しいと思い、
書き込んでいます。

良かったら見に来て下さいね。
気に入ればリンク張って頂ければ嬉しいです。

このブログにリンクを張らさせて頂きたいのですが
よろしいでしょうか?
これからもブログ頑張って下さい。


応援ぽち♪
ぶんねん
URL
2007/10/08 23:40
私も介助者を入れての生活をしているけど、私が決め、行動することが自立かな。介助者まかせの生活は嫌。
みゆきちゃん
URL
2007/10/09 08:21
 おはようございます。
 息子存命中は常にどうしたら一番本人が楽かと心を砕きました。介助に関する知恵は養護学校や施設の皆さんから学びながらです。自分で出来ることを少しでも身に付けさせたいし、あまり苦痛なことはさせたくないしと、試行錯誤の毎日だったように思います。亡くなって8年経っても、ああすれば良かったかも、などと思うことがあります。辛いですね。
yuurakusya&太郎ママ
URL
2007/10/09 08:27
うちの場合、口から食べること自体が苦痛だったらしく、その頃「注入」なんてものがこの世にあるなんて知らなかった私は「食べなきゃ死んじゃうっ!」と必死で泣き喚く子供の口に食べ物を運んでいました。
今でも咀嚼が上手ではないので、時々噛むのが面倒でベーッと口から出しちゃったり、プイッとそっぽを向いて口を開かなくなっちゃったり、と一筋縄ではいきません。
でも、口からの栄養だけでなんとか今日まで生きてこれました。ガリガリのやせっぽっちですけどねぇ。
「楽」ということと「楽しい」ということは似て非なるもので、子供の介護をしていると、ついつい自分が楽になるように、と考えてしまいがちです。
子供が楽しく、なおかつ自分が楽できる、そんなステキな食事にするためにはやはりそれなりの努力が必要なんですよね。
リンコ
URL
2007/10/09 09:09
なるほどねえ〜、といろいろ考えさせられました。確かに本人に過分な負担を強いるのはよくない。でも障害の種類が違うと・・確かにそうですよね。私の理想は五分五分です。息子は100%はできない。30%くらいしか出来ないかもしれない。でもなんとか50%くらいは出来るように頑張りますから足りないところはどうか支えてください、って。人って頑張っている人のことは自然に支えてあげたいっていう気持ち沸きますものね。息子さんも楽しそうに食べられているようで良かったですね♪
ちえのすけ
2007/10/09 12:33
講師の方はこの考えに至るまで色々と葛藤もあったのでしょうね。
でもtomokoさんの「・・必要なもの全てを子供に残していける自信が・・」は私も最終的に行きつく所です。支援がほぼ無いことがわかる将来の為にあれもこれもできるようにさせておかないと・・とつい焦っちゃいます。本人の負担と可能性、先のことがわからないだけに難しく悩んでしまいますがK君の笑顔のお食事にホッとさせてもらいました(^^)。
もよこ
2007/10/09 19:04
キョン様
 本当にそうですね。地道に積み重ねたことが、本人の成長とタイミングが合って成果を見せてくれる。本人にも、「自分でできた」という喜びはきっとあると思います。本人と一緒に、楽しみながら成長していきたいですね。
tomoko
2007/10/09 20:39
ぶんねん様
 はじめまして。介護されている人のことを第一に考えていきたいと常々思うのですが、時には親や学校行事の都合を優先させなければならないこともあるので悩みます。でも、出来る限り将来のことまで見据えた支援をしたいです。
 介護の知識や情報がたくさん詰まったブログですね。リンクはご自由に、というスタンスなのでずが、以前知人が相互リンクでトラブルに遭遇したため、申し訳ないのですが相互リンクは貼らないことにしております。ご理解いただければ幸いです。小心者なもので、すみません。
tomoko
2007/10/09 20:54
みゆきちゃん様
 自分で決定・判断した行動をとるための介助、ということですよね。そういう自立をしているみゆきちゃんは本当に素敵だと思います。
tomoko
2007/10/09 20:57
yuurakusya様
 身体の障害の方には、訓練に肉体的苦痛を伴うこともありますよね。それを見守るのも、辛いことと思われます。やらねばならないこと、無理せずともいいこと、を考えながら療育をすすめていきたいと思っています。
tomoko
2007/10/09 21:04
リンコ様
 そう、つい自分の都合で考えてしまうこともあるけれど、子供が楽しそうだと親も楽しいですね。どちらかが我慢するということをできるだけ減らしていければ、と思うのですが。お子さんも、口からの食事で「おいしい」と思えるものがたくさんできるときっと楽しいですよね。
tomoko
2007/10/09 21:08
ちえのすけ様
 自分でできること、助けてほしいこと、バランスをとるのは難しいですね。うちは生活の中の基本から・・・という状態なので、頭を抱えることも多いです。でも、最初から諦めるのはよそうと思えるようになりました。やはり、きれいにご飯を食べているのを見ると気持ちが安らぐんですよ。
tomoko
2007/10/09 21:12
もよこ様
 たとえ大富豪であったとしても、お金だけですべてを解決できる術は残せないでしょう。だったら、無理のないレベルでの自立と信頼できる人脈は残してやりたいです。先のことは本当にわからないけど、いろいろな可能性は信じたいですね。
tomoko
2007/10/09 21:14

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