障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 問題行動、の問題点再考

<<   作成日時 : 2007/06/04 12:42   >>

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 「K君は、優しい子ですね。」学童クラブの指導員さんに突然言われた。

 どういうことかというと。

 Kは乾燥肌で、湿度が低い時期には手足をポリポリ掻いていることがよくある。また、きたない話で申し訳ないが、指にツバをつけて痒いところに塗ったりもする

 この指導員さんも同様の体質で、ある時Kに「私もね、今、痒いのよ」と腕を掻きながら笑ったところ、Kは自分の指にツバをつけて彼女の腕に塗り始めたというのだ

 ・・・あちゃー・・・ 申し訳ありません、とすかさず謝る私を制して、彼女は続けます。

 「私ね、感動したの。嬉しかったの。K君は、私の痒みも自分と同じようにやわらげてくれようとしたんですよ。

 「思わず、傍にいた人達に大声で報告しちゃいました。皆、K君は優しいね、って褒めていましたよ。」

 「K君は、喋れなくても、できないことがあっても、いろいろなことを理解しています。人との関わりも求めている。こんな思いやりもある、とてもいい子です。」


 知的障害児者の、その障害ゆえの特異な行動は、健常者をひかせたり不快感を持たせたりすることが多い。
 でも、それらの行動が障害児者本人にとって何らかの理由や主張を伴うこともあり、それを認めつつ違った表現に移行するよう、親は常に努力しているものだ。

 それでも時として、「まだこんなことをしているの」「やめさせたほうがいいよ」とか言われるてしまう場面はある。正直、親は辛い。
 やめさせる努力もしている、解り難いくらい少しずつだが効果も現れ始めている。決して放置しているわけでもないし、障害を理由に手を抜いているわけでもない。

 でも、日常を知らない人にそんな言い訳は通じない、とたいていの親は承知しているから
 「申し訳ありません、やめさせるように頑張ります」などと神妙に答える。長年の「障害児親」生活で学んだ処世術だ

 あなた、その件に関しては既に頑張りすぎているじゃない。頑張りすぎて、病院通いまでしたじゃない。今以上の頑張りを、誰があなたに求められるというの?・・・・あきらめたように苦笑するあるお母さんの背中に、心の中で問いかけたこともありました。

 「でも、結果がでてなきゃわかってもらえない。」・・・それが、社会です。

 だから。問答無用で「不潔な問題行動」として厳しく注意されても仕方ないKの行為の中に理由を見出し、それを褒めてくれた、親である私に「喜ばしいこと」として伝えてくれた指導員さんの気持ちが本当に嬉しかった。

 もちろん、「でも、できれば違う方法で、ということは少しずつおぼえてもらいましょうね。」とも言われました。当然ですとも!

 そういえば、漫画「どんぐりの家」の中に、重度重複障害の女の子のこんなお話が。

 「食事中、咀嚼したものを手に戻して差し出すという『問題行動』は、実はおいしいと感じたものを他の人に分け与えようとする行為だった」

というお話がありました。

 彼女の行為は、汚い、とんでもない問題行動ということになるのでしょう。でも、障害児者の気持ちの表現というものの多様性について深く考えさせられたことをおぼえています。

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コメント(8件)

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世間一般に問題行動と思われがちな事も理由があるんですね。純粋で素直な優しい気持ち・・・私も忘れがちになりますが、K君の優しい気持ち伝わりましたよ(^-^)
ちいこ
2007/06/04 14:47
 Kくん優しいね。これを問題行動っていうのでしょうか? 子供の頃転んですりむいたとき母親が自分の指をなめてかすり傷に触れてくれたのを思い出しました。ちっとも、問題だとは思いませんけどね。現代は違うのでしょうか? あまり神経質になりすぎないほうな良いように思いますけどね。
yuurakusya
URL
2007/06/04 20:06
ちいこ様
 ありがとうございます。まあ、親とかそれに近い気持ちで見守ってくれている人にしか「善意」とは伝わらない行為であるというところがなんとも・・・ただ、その気持ちを受け止めてやることは忘れないようにしたいです。
tomoko
2007/06/05 12:55
yuurakusya様
 男子中学生にいきなり腕をなめられた・・・ということで110番通報されてしまう、とかの可能性はあるなあ、なんて考えてしまいました。言葉がない分いろいろな表現になってしまうので、こういうご時勢だし常識の範囲の表現を教える必要があるのだな、と実感しています。
tomoko
2007/06/05 12:59
表現、自由だよ。
みゆきちゃん
URL
2007/06/06 01:15
みゆきちゃん様
 そう、自由なはずです。でも、受け止めてくれる人ばかりに囲まれて一生を過ごせるわけではない。親亡きあとのことまで考えると、ある程度受け入れられる表現を教えておきたいです。
tomoko
2007/06/06 12:50
「花形巨人の星」つながりで読ませていただきましたが、おもうところあります。ああ、オレはなんと小さな気持ち、思いということに鈍感だったことかと。
それによってオレじしんなんと多くのやさしさを失ってしまったことかと。いまオレにもボーダーの娘がいますが、オレはこれからそういったオレがみないようにしてきたことに復讐されるんだなと、深く、静かにおもいます。
れお
2007/10/01 07:36
れお様
 復讐、なんてことはないのでは。でも、私も若い頃は弱くて小さな存在に無頓着でした。娘さんはこれから先もきっとたくさんのことを教えてくれると思います。
tomoko
2007/10/01 10:04

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