障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 三歳児投げ落としと「検証・障害者自立支援法」

<<   作成日時 : 2007/01/20 21:30   >>

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 「検証・・」はNHK教育テレビで3回にわたって放送された番組。2回目後半と3回目しか見られませんでした。

 3回目の放送は、移動支援について。

 移動支援は、自立支援法下では地方自治体の裁量に任されており、障害者の外出を支援する制度です。

 地方により、運営に弾力性がある。けれどそれは、内容の地域格差がはっきりとあらわれるということでもあります。Kもよく利用しますが、うちの地域では与えられた利用時間数はあまり多くないものの、時間内の活動についてはあまり干渉されないので、学齢期の子の支援としての使い勝手はまあまあだと思います。

 番組中では一人暮らしの脳性マヒの方と視覚障害者の方の例をあげ、障害者の外出の意義や生活との関わりが説明されていました。

 外出支援のヘルパー利用時間を大幅に減らされた脳性マヒの女性が、少しでも利用時間を節約しようとして体に無理をさせている様子を見て。

 「自立してね」という行政の指針に従う姿がこれだというのか。 やりきれなくなりました。

 そして、障害者を現場で助けてくれているヘルパーさんの事業所の、自立支援法施行以後の実情も紹介されていました。

 単価の削減等で経営不振になり、ヘルパーの数や時給を減らさざるを得ない。サービス内容も、利用する障害者のさまざまなニーズに応えにくくなる。

 自立支援法がいまのところ果たしている目的って、行政の支出を減らす、という一点のみのような気がします。

 ・・・・と、ここまで書いたところで例の「三歳児投げ落とし事件」の一報を聞いたわけでして。
 
 こういう話を聞くたびに、悲しいやら悔しいやら、複雑な気持ちになります。
被害者に落ち度はない。ましてや普通に考えて加害者を擁護することもできない。でも、加害者ただひとりに全ての責めを負わせていいのか。

 すっきりできる落としどころ、というのが見つからないのです。

 「簡単なこと。施設に隔離しとけ」でおしまいにできる立場じゃないものですから。でも、そういう声が多くなることもわかります。

 加害者が通っていた施設も多分運営は楽ではなかったと思われます。そんな中で努力していた職員、他の利用者、保護者達。その人達の落胆はどんなに大きいか。

 知的障害については軽度だったようですが、詳しい障害名は不明。でも、この加害者が注意すべき性癖を持っているとわかっていたなら。

 充分な数の職員を雇用できる状態だったら、マンツーマンで見守ることもできたのでは、なんて思ってしまいました。

  こうならないように努力する、などと言って済む問題ではない。共生とかノーマライゼーションとかいう理想は、もう少しで手が届く、という時にふっと遠ざかってしまいます。 

 次回、この件についてはもう少し。

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
自立支援法、本当に困った法律ですね。
みゆきちゃん
URL
2007/01/21 04:34
本当にこの事件には驚きました。そして、その加害者の母親のコメントが、『この子と何度死のうと思った事か…』と言ってました。そして施設の理事長さんの苦難の顔…。この事件を今回見過ごすとまたこの事件は続くでしょう。
 昔、小さいお子さんを高い橋からだったか線路だったかに…落としてしまった知的障害の人がいましたよね?その人は、精神病院に隔離されていると噂で聞きました。
キョン
2007/01/21 15:56
みゆきちゃん様
 外出することは生活に直結することであり、決して贅沢とか暇つぶしなんかではないのにね。いろいろなことを考えさせられました。
tomoko
2007/01/21 19:24
キョン様
 そのお母さんの言葉が胸に沁みます。加害者の家族も辛いですよね。以前の投げ落とし事件は、散歩していた重度知的障害者だったと記憶していますが、精神病院にいたとしても、更正教育とか療育とかを受けているわけでなく、単に閉じ込めているだけなのでしょうか。仕方ないのかもしれないけど、悲しいですね。
tomoko
2007/01/21 19:30
私もこの事件に衝撃を受けました。
障害者への偏見が強くなるのではないかという不安が・・・。
もっと良い方法はないのかと思いますが、施設や加害者になった障害者だけに責任を負わせる行政のありかたも問題だと思います。

今年は大変忙しい年始から多忙で、こちらのブログに訪問させていただこうと思っていましたが、今ごろになってしました。
大変遅くなってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

まあちゃん
URL
2007/01/22 00:11
こういう事件を見る度に、見えない障害について考えさせられます。ニュースなどでいろんな人がコメントしてたのを見ましたが、障害者を取り巻く現状を把握せずにあれこれ言ってるんじゃないかという印象を受けました。
こういう事件を知る度にやるせない気持ちになります…。
Shin
2007/01/22 11:47
まあちゃん様
 こういう事件が起こると必ず隔離とか拘束とかの声が上がることは悲しいです。これを機会に、行政ももう少し本当の自立、について考え直してくれないものかと思います。
 お忙しいようですが、お体を大切になさってくださいね。
tomoko
2007/01/22 12:53
Shin様
 「親はなにやってたんだ」という声もありました。でも、何もしていなかったわけじゃない、この加害者の親御さんだって多分いろいろと苦労も努力も重ねてきたことと思われます。
 あまり関わらない人には想像できない部分まで考えると、痛ましさばかりが残ります。
tomoko
2007/01/22 12:59
私がこの事件を最初に知ったニュースでは
加害者に知的障害があることは言っていま
せんでした(事件が起きてすぐのニュース
というわけでもないのに)。なので単純に
「仕事が嫌だったからなんて・・・ひどい
!」としか思ってなかったのですが・・。
母親が子供を殺したり無理心中を図ったり
したニュースも、子供に障害があることに
触れないものが多い気がします。

『そこ』に触れる触れないで問題は大きく
変わってくると思うのに、触れずに単に
「怖い人(ひどい母親)がいるなぁ」と
いう印象を与えて終わらせてしまうことを
残念に思います。
ひかまま
2007/01/22 19:08
ひかまま様
 単に子供を殺してしまった、というだけだと「ひどい親」で終わりになりがち。でも、実は子供に障害があり、さんざん苦労や努力をした末に・・ということも少なくないようですね。本当考えなければいけないことを、報道でもきちんと知らせてほしいと思います。
tomoko
2007/01/23 12:17

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