障害児Kとおたく母の疾走日記

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zoom RSS 障害者自立支援法が考えさせてくれること

<<   作成日時 : 2006/04/24 11:54   >>

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 前回の続き。

お金の問題は難しい。一昨日来、いろいろな方のコメントを拝見して、また多くのことを考えました。さまざまな立場の方と意見を交わし、勉強になりましたが、1日でここ3年分くらい脳味噌使っちゃったような気がします。でも、ブログ始めてよかった、と思います。

 前回の記事は、長文になったものを二分した前半です。消化不良な書き方で、すみませんでした。
 
 さて、障害者自立支援法。この法律のどのへんが「大どんでん返し」なのでしょう。

 この「大どんでん返し法」は地方自治体の裁量部分が少なくない不安定法で、役場の窓口でも回答がクルクル変わる。ゆえに、以下は現在の時点で私が見聞きしたことをもとに書いていますが法律自体の内容の細部の解釈が違っていたら申し訳ありません。

 障害児の手当てを、家庭で生活費のたしにしていた場合の例です。

 「障害児」が成長して「障害者」になると、「特児手当」は「障害年金」になります。そして、本人は施設に入ったりデイサービスに通ったりします。

 これまでは、障害が重くてもこの施設利用にあたり、本人や保護者にそれほど大きな経済的負担はありませんでした。しかし、「大どんでん返し法」以降はこの施設利用費の一割を、本人が負担しなければなりません。

 家庭の状況によっては、突然の負担急増になります。

 ここで、障害年金を生活費に組み込んでいた家庭は変化の波をもろにかぶるわけです。
そして、こういう判断をする保護者も当然でてくる。

 「通所してこんなに出費が増えるなら、通うのやめてウチにいなさい。」 

 これまで、養護学校卒業後の進路となる作業所等の施設はどこも満員、順番待ちという状態だったのが、こうして退所者が増えたため順番のまわりが早くなったとか。こういう形でそうなるのは、果たしていいことなのでしょうか。

 どこにも通うことなく家にいると、生活の張りもなくなり本人の生活能力も目に見えてどんどん低下するといいます。親だけの介護は外の空気を遮断し、新鮮な経験をする機会も減っていく。

 大きなお世話、って言われそうだけど、たまりません。 

 そして、やっと前回の暗い脳内予告BGMの続きになります。

 こういうことをいろいろと説明してくれた後で、養護学校の先生はおっしゃいました。

 「いいですか、お金がかかるといっても、障害年金でまかなえる範囲なんです。」
 「つまり、子供の手当は子供のために使う、という意識を持っている家庭では、あわてることはありません。」
 「子供の手当を生活費に組み込んでいると、将来慌てることになりますよ。」


 ここで、BGMは一転して激しい展開を表現する曲に。ウルトラセブンの最終回で使われたピアノ協奏曲あたりがいいと思います。なにしろ、「大どんでん返し法」ですし。(そろそろやめようか、この言い方)

 ただ、ここで間違えてはいけないと思うこと。この先生のお話は決して理不尽なものではありません。なぜなら、普通なら子供が学校等を終えて成人した時点で親子の経済は切り離してもよいはずだから。

 その意味もあって、「本人」が利用料を自分で支出するものとされているのです。そして、「本人」の収入といえば、たいてい数千円〜1万円/月くらいの作業所の工賃と年金のみ。

 子供時代は、育てている親が本人の生活のほぼすべてを管理しているといえるでしょう。でも、障害児者であったとしても、いつかは親の手を離れて生活する力をつけねばなりません。

  そう、成人後の「障害年金」こそ、まさしく純粋に本人のために使われるべきお金なのです。施設やグループホームの利用費、給食費など、そこでまかなうことができて、本人がそこで充実した生活を送れるならそこに使ってやるのが筋。

 親の都合で大好きな友達や指導者から引き離され、自宅で単調な生活をすることを、不満を訴える力もない障害者本人はどう感じているのでしょうか。ソラさんの記事でも紹介されていましたが、この春、そういう方が増えているらしいです。

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コメント(12件)

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なるほどお〜〜〜、
つなげて読んで意味が分かりました。
やはり、こういう話は養護学校のほうがいろいろ説明してくれるのでしょうね〜、特殊学級だとこういう機会は積極的にセミナーなど出かけていかないと、まずないと思います。
うちはもらえる可能性が少ないお金ですが、なんかすごく考えさせられる文章でした。いつも深みの有る文章をありがとうございます。
子どものお金は子どものもの・・確かにそうですよね。通所させずに自宅にいさせるっていうのは私には理解が出来ない・・自腹切ってでも外の世界にふれあわせてあげたい。
我が家の場合は、お年玉などを手付かずで貯金してあげています。あとは子ども用の積み立てを少々。療育費にかなりお金がかかるのでキビシイですが、やっぱり子どものためですものね。
ちえのすけ
2006/04/24 16:24
こんばんわ。
 この法律を聞いた時に、危惧していたことが現実になっているようですね。誰しも好きで障害者になったわけではないのに。非常に憤りを覚えます。親自身の、今現在、しか考えていない。
 母からの又聞きで申し訳ないのですが、今の制度は暫定的なもので、何年か後に見直しがあるとか。その時には必ず制度改正を求めなくてはなりませんね。
 少数民族に冷たい国はもうたくさんです(ため息)。
Shin
2006/04/24 21:03
「自立支援」を謳うなら、「自立できる環境」を整備してから自己負担を求めたらいいと思います。障害者でもみな社会参加が出来て、必要十分な収入が得られる、そういう社会整備をやってはじめて、自己負担を求められると思うのです。

学生時代に知った重複障害児さんのグループでは、お母さんたちが自分の子供たちの就労施設を自力で作ろうとしていました。でも建物ひとつ借りるにも周辺住民に反対されたり、苦労なさってました。本来ならそこでこそ国の出番だと思うわけです。でも実際は当事者だけが頑張らされている感じでした。

クロネコヤマトの元理事長さん(故人)は、障害者の月給が月一万円平均と聞いて憤激し、焼きたてパンの店「スワンベーカリー」を開店、障害者に月給10万円を支払える事業に育て上げました。本当の自立支援ってこういうことだと思うのです。今手当てをもらっている人だって、本当に望んでいるのは目先のお金より、いつか子供より先に死ぬ時がきても安心して逝けるような、子供の将来の生活だと思うのです。そこのケアをすっぽかして多少のお金をあてがって、更に自己負担を求めるって、やっぱりなんかおかしいと思うのですよ。
なつめ
2006/04/24 23:08
大親友が生活に困っていました。貴方はどのような援助を彼にしてあげますか?

1)金を貸す(あげる)
2)仕事を斡旋する

殆どの方は 2)を選ばれると思います。1)は親友を失うリスクがあるからです。
「障害者自立支援法」はおそらく 2)を目指したのではないかな?
でも通所で貰える額はビビたるもの。中身が伴っていない。自立支援って経済面、精神面、生活面全てに対してケア出来てはじめての自立支援となると思うのです。

なつめさんの挙げられた例を見て国が動かないなら、理解ある企業家を動かすというのもひとつの手かなとも思いました。やはり悲しいことに行政はアイディアあまり持っていないんですよ。
steinway
URL
2006/04/24 23:34
障害者自立法って、本当に障害者の自立を目指しているのでしょうか。確かに作業所は増えてはいますが、給料は本当に微々たる物。生活できる金額ではありません。そこで障害者年金。もらえる人はいいのです。もらえない人も実際いるんですよね。その場合、自立支援法になって、家庭に収入があると、自分で支払わなくちゃいけない金額が増える。だから家から自立して生活することが出来ない。または施設に入らなくちゃいけなくなる。今まで自由に生活していた人々が、施設の決まりきった時間割に乗らなくちゃいけなくなるのが非常につらいので、外出とかを控えるようにするしかないと言うことがニュースになっていました。これが本当に自立援助なのでしょうか。とっても複雑な問題を含んでいる法律だと思います。

せめて障害者の作業所ではなくて、自立して生活できる給料をもらえるための施設作りが先ではないのかな??その作業所だって、障害者の親が中心になって作っているところが多い。政府はそういうところまでわかっていて、自立支援法を作ったのだろうか?? せめて最低賃金が得られるような作業所を作ってほしい。そうでないと自立した生活できないもの。
チハル
2006/04/25 10:23
ちえのすけ様
 「障害のある子に余分なお金はかけたくないそうです」という言葉を聞いたときは、怒りを覚えましたね、さすがに。しかし、家庭の事情はさまざまなので、すべてのこういう家庭を責めることもできません。
 福祉からもれてしまいがちな発達障害のお子さんにも、実情に沿った支援ができればいいですね。
tomoko
2006/04/25 13:14
Shin様
 今は新制度の移行期間で、10月から本格施行、しかし最終的には数年後に介護保険との統合を目標に・・・らしいですが、本当にどんなふうに転がっていくのやら。いえ、転がされている、というのでしょうか。少数民族、そのとおりです。とにかく、正確なところがわかり難い法律です。
tomoko
2006/04/25 13:17
なつめ様
 スワンベーカリーの実績はすごいですね。私が在籍している親の会でも、これからは補助金を貰うが前提でお上の顔色を伺う授産施設を作るより、経済的基盤をしっかり作って起業したほうが、という意見も出ています。
 あ、そうか、お金の援助を減らすのが目的なら、こういう考えに誘い込むのがお上の狙いかな。でも、最終的に子供の生活を支えることができるなら、それでもいい。お金ばかりが援助ではないと思うのですが、お上はどうお考えなのでしょう。
tomoko
2006/04/25 13:25
steinway様
 まさに、私達が欲しいと思う援助は 2)です。
普通の仕事ができて、それなりの収入を得る能力のある障害者が、不景気のために一般就労の道を閉ざされているのを見ると本当にもったいないと思います。
 自立支援法は、今の段階では「施設から出して働かせる」ではなく「施設から出して家に帰す」ところまでのようです。施設にいると、公費がかかるから。
 「お金は払います。だから、仕事のできる環境の整備を。収入の道を」と、障害者団体は訴え、政府もその方向を目指しているらしいのですが。具体的な策は、まだ示されていません。何年先にどうなっていくのか、本当に不安です。
tomoko
2006/04/25 13:34
チハル様
 そうですね、お金を取るならまず収入を確保する道を保障してほしい。意欲も能力もあるのに、働けずにいる人もいる。また、家族の収入もかなり重視されるという噂もあり、恐ろしいことに兄弟の収入まであてにされるかも、という話も・・冗談だと思いたい。自己責任という意味で、国ではなく家族で背負ってくれということでしょうか。このあたりの話は、デマだといいと心から思います。
tomoko
2006/04/25 13:41
初めまして。私は今福祉系の大学で学生をしてます。
今ゼミで障害者自立支援法について詳しく勉強している
さいちゅうです。いろんな意見や実情を知りたくて
検索し、たどり着きました。
いろんな角度から研究しているのですが、ブログを読ませていただいて、より問題は大きいと感じています。
この法律の問題は長期にわたるのではないかと考えています。支援する側になろうとしている自分にとって、生の声はとても勉強になりました。
障害者を支援することは、その家族全体をも支援していくことなのではないかと自分は思っています。
確かに親であるならば子供を養育する義務があるのかもしれないけれど、だからといって親が子供の為に自分自身を犠牲にするという事とは違うのではないかと考えています。
親ならば犠牲と考えない人も多いのではないかと思いますが、誰しもが心強くあれるわけでもありません。やはりそこには助け合いが必要だと感じています。
ブログ内容とコメント内容。大変勉強になりました。
どうもありがとうございました。
夏。
2006/06/14 17:02
夏様
 自立支援法は、勉強熱心な親や事業者さえも未だにその本体がつかめずにいる難解な法律です。私も、専業主婦を決め込んでお気楽おたく生活、の予定を大きく狂わされたわけですが(笑)、しんどいとは思っても犠牲になったと思ったことは不思議とありません。
 福祉の勉強をされているとのことですが、障害者や高齢者の生活に興味や関わりを持ってくださる若い方がいるというだけで本当に感激です。地道な世界ですが、学ばれたことをぜひ将来に役立ててくだされば嬉しいです。
tomoko
2006/06/15 21:10

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